フー・ファイター【Foo Fighter】
珍奇ノート:フー・ファイター ― 第二次世界大戦末期に目撃された球状の未確認飛行物体 ―

フー・ファイターとは、第二次世界大戦末期に英米連合軍の航空部隊に目撃された謎の飛行物体のこと。

発光する球状の未確認飛行物体で、航空機を追尾するように飛行していたとされる。


基本情報


概要


フー・ファイターは、第二次世界大戦末期に英米連合軍の航空部隊のパイロットによって、相次いで目撃された正体不明の発光飛行物体の総称である。戦時中の軍事記録に公式に登場した最初期の未確認航空現象として知られており、当時の兵士たちはこれらを「謎の空中球体」や「敵の秘密兵器」として警戒していた。名称は、アメリカの漫画『Smokey Stover』に登場する「foo」という言葉に由来し、現場のパイロットたちが自然発生的に用い始めたものとされる。

最初期の代表的な報告は、1944年11月下旬、フランス東部ディジョンに駐屯していたアメリカ陸軍航空軍第415夜間戦闘機隊(415th Night Fighter Squadron)によって記録された。ライン川上空での夜間任務中、パイロットたちは自機に並走するオレンジ色の光球を相次いで目撃し、任務報告書には「急旋回しても振り切れず、操縦者がいるかのように追従した」と記されている。これらの発光体はレーダー員を含む複数の乗員によって同時に観測され、単なる錯覚や戦闘疲労では説明できない現象として扱われた。

この現象が一般に知られるようになったのは、1945年1月1日に発行された『AP通信』の記事である。特派員ロバート・C・ウィルソンは第415部隊を取材し、パイロットたちがこれらの発光体を「フー・ファイター」と呼び、ドイツ軍の未知の兵器ではないかと警戒している実態を報じた。記事では「攻撃はしてこないが決して離れない」という特徴が強調され、戦時下の不安と相まって大きな反響を呼んだとされる。

終戦後、アメリカ空軍の未確認航空現象調査である「プロジェクト・ブルーブック」およびその前身組織は、戦時中のフー・ファイター事例も検証対象とした。公式ファイルでは、一部の報告が「セントエルモの火」や「流星痕」などの自然現象の可能性として検討されたものの、多くの事例は最終的に「正体不明(Unknown)」として分類されている。パイロットの証言には「自機の動きに追従した」「複数の光球が編隊を組んだ」などの記述が残されており、既存の航空機・兵器・自然現象のいずれにも該当しない挙動が特徴として指摘されている。

このように、フー・ファイターは第二次世界大戦という極限状況下で多数の軍人によって公式に記録された未確認航空現象であり、戦後のUFO研究においても特異な位置を占めている。戦時中の軍事記録に基づく信頼性の高い事例として、近代UFO史の前史的段階を象徴する現象の一つとみなされている。

データ


種 別 発光球型UFO
目撃地 ヨーロッパおよび太平洋戦域の上空
年 代 1944年~1945年
サイズ 不明
備 考 軍の公式任務報告書に記録された最初期の組織的なUFO目撃例

資料


米軍の任務報告(1944年11月〜)


フー・ファイターが軍事記録に初めて登場したのは、第二次世界大戦末期の1944年11月下旬である。フランス東部ディジョンに駐屯していたアメリカ陸軍航空軍(USAAF)第415夜間戦闘機隊のパイロットたちが、ドイツのライン川上空での夜間任務中、自機に並走する「オレンジ色の光球」を相次いで報告した。

当時の任務報告書(Mission Reports)によれば、これらの発光体は並走するほどの速度で移動し、操縦者がいるかのような動きを見せた。航空機が急旋回などの回避行動をとっても振り切れず、パイロットにはまるで意思を持って追従しているかのように見えたという。当初、軍内部ではパイロットの「戦闘疲労」や「神経過敏」を疑ったが、レーダー員を含む複数の乗員による同時目撃が相次いだことで、軍の中でも注目すべき現象として扱われた。

AP通信による報道(1945年1月1日)


軍内部の機密に近い扱いであったこの現象を、初めて公に広めたのがAP通信である。特派員ロバート・C・ウィルソンが第415部隊の基地を取材し、現場のパイロットたちが「謎の空中球体」を、当時の人気漫画『Smokey Stover(スモーキー・ストーヴァー)』の「foo」というフレーズを引用して「フー・ファイター(Foo Fighter)」と呼んでいる実態を報じた。

この記事により、現場の兵士たちがこれらを「ドイツ軍の未知の秘密兵器」あるいは「心理戦用の電磁兵器」と見なし、極めて警戒していた実態が一般に知れ渡ることになった。また「攻撃はしてこないが、決して離れない」という不気味な性質についても広く紹介されている。

プロジェクト・ブルーブック(戦後の公式調査)


終戦後、アメリカ空軍によるUFO調査プロジェクト「プロジェクト・ブルーブック」およびその前身において、戦時中のフー・ファイターの事例も検証の対象となった。 ブルーブックの公式ファイルによれば、これらの報告の一部は「セントエルモの火(放電現象)」や「流星痕」といった自然現象の可能性が検討されたが、最終的に多くの事例が「正体不明(Unknown)」として分類された。

公式記録には、パイロットの証言として「自機の動きに追従するように見えた」という挙動が記載されているものの、軍としての結論は特定に至っていない。現在、これらの記録は米公文書局(NARA)に保管されており、戦時中に発生した説明不能な空中現象の公式な記録として残されている。