サナト・クマーラ/サナート・クマラ/サナット・クマラ/サナト・クマラ【Sanat Kumāra】

サナト・クマーラとは、大昔に金星からやってきたといわれる宇宙人のこと。

日本では 650万年前に鞍馬山に降り立ったといわれ、鞍馬寺の奥の院・魔王殿にて祀られる護法魔王尊と同一視されている。


基本情報


概要


サナト・クマーラは、インド神話ではブラフマーの精神から生まれた4人のクマーラ(チャトゥルサナ)の一人で、この名は「永遠の若者」を意味するとされる。近代神智学では1850万年前に金星からやってきたクマラ(炎の主)たちの一人で、地球のロゴス(地球の創造主)の代理として、全ての生命体の進化を統括するとされる。また、日本では鞍馬寺の本尊である護法魔王尊と同一視されている。

主な特徴としては、大昔(650万年、1850万年など)に金星から地球にやってきて、永遠に16歳の若さを保ち、全ての生命の進化を促す、などと説明されることが多い。また一部では、シャンバラを本拠地する、肉体を持たず変幻自在である、エネルギーの浄化を司る、とも言われることがある。なお、スリランカのカタラガマにはサナト・クマーラのための神殿が建てられており、ここが聖地に位置づけられているという。

インド神話におけるサナト・クマーラ
インド神話では、チャトゥルサナと呼ばれる創造神ブラフマーの精神から生まれた4人の息子の一人で、サナト・クマーラという名はサンスクリット語で「永遠の若者」を意味しているという(サナトは「常若」、クマーラは「童子」の意)。

この4人の息子はブラフマーが世界の創造を補佐させようとして生み出したが、息子たちは世界の創造に関心を示さず、純潔がゆえに生涯独身の誓い(ブラフマチャーリャ)を立てたとされる。そして、この4人は童子の姿で宇宙を放浪しているといわれている。

近代神智学におけるサナト・クマーラ
近代神智学では、炎の主たち(Lords of the Flame)と呼ばれる超存在の一人で、1850万年前に104人の炎の主たちと共に金星から地球にやってきたとされる。この"炎の主"たち"クマラ"とも呼ばれ、エーテル体を纏う者といわれている。地球に降り立った105人のクマラ(炎の主)は、地球のロゴス(地球を担当する惑星神)から任務を受けて人類の進化を促進・指導したとされている。現在では4人のクマラが地球に留まっているとされ、それは サナト・クマーラ(サナット・クマラ) と 活動の仏陀 (プラチエカ仏陀) と呼ばれる3人のクマラだとされている。

サナット・クマラは、モンゴルのゴビ砂漠上空にあるエーテル界に「シャンバラ」という都市を建造し、そこを本拠地として住むといわれている。この「シャンバラ」は、地球のエネルギー・センターで、人間でいうところの頭頂チャクラに相当するという。また、サナット・クマラは「ロゴスの意志の化身」としてクマラたちの中でも指導者的な立場を担っており、「大いなる白色同胞団(グレートホワイトブラザーフッド)」というグループを創設して、そのリーダーとなっているとされる。

サナット・クマラが地球に降り立った当時は人間は動物として完成していたが、今のような人間としての意志を持つ存在ではなかったという。そこで、他のクマラたちと共に動物的な人間の進化を促進し、これによって意志を持つ今のような人間へと進化したとされる。このように、サナット・クマラは第3段階以上のイニシエーションを司り、第2段階まではマイトレーヤ(弥勒菩薩)が司るとされている。

鞍馬山とサナト・クマーラ
鞍馬寺の本尊である護法魔王尊(尊天の一尊)は、650万年前に金星から鞍馬山に降り立ったとされ、永遠に16歳の若さを保ち、地球全体の進化を支配している などといわれており、こうした特徴からサナト・クマーラと同一視されている。

鞍馬寺は もともと毘沙門天を本尊とし、併せて千手観音を祀る寺院であったが、昭和期に鞍馬弘教が立教されてからは尊天(毘沙門天王、千手観世音菩薩、護法魔王尊の三位一体)を本尊として祀るようになった。現在、鞍馬寺は鞍馬弘教の総本山であるが、護法魔王尊とサナト・クマーラが関係するという説は鞍馬弘教立教後に始まったとされる。

データ


種 別 宇宙人、神仏
資 料 『チャーンドーギヤ・ウパニシャッド』『ラーマーヤナ』『シヴァ・プラーナ』ほか
年 代 1850万年前
備 考 護法魔王尊と同一視される

関連項目