護法魔王尊【ゴホウマオウソン】
珍奇ノート:護法魔王尊 ―金星から鞍馬山に降り立った者―

護法魔王尊(ごほうまおうそん)とは、650万年前に金星から鞍馬山に降り立ったとされる者のこと。

あらゆる生命の進化を促す存在であると言われており、現在では鞍馬寺の本尊である尊天の一尊として祀られている。


基本情報


概要


護法魔王尊は、鞍馬寺の本尊の尊天(毘沙門天王、千手観世音菩薩、護法魔王尊の三位一体)の一尊であり、鞍馬寺の奥の院・魔王殿では単一で祀られている。現在の鞍馬寺の宗派である鞍馬弘教では「650万年前に金星から地球にやってきて現在の魔王殿のある場所に降り立った」としており、この地は「魔王尊降臨の磐座・磐境(古代の祭祀場)」とされている。

なお、魔王尊という名は「あらゆる魔障を征服し、屈従させて、善魔に転向させる大王」という意味で、「魔王尊の経綸と協調するものは厚い守護と祝福を受けるが、魔王尊の正義の理念に反するものは破壊される」 としている。また「火の霧の子」とも呼ばれ、人類とは異なる進化の過程を辿った存在であり、特徴としては「姿かたちは人間と同じだが、身体を構成する元素が異なっているため、食事も必要なく、永遠に16歳の若さを保つことができる」「変幻自在で様々な姿に変化でき、飛行も自在で、時空も越えられる」「あらゆる時空や、人々の心の中も見通すことができる」などがあり、地球にやってきたのは「人類をはじめ、神々や自然霊、一切生類の進化を促す」「人類が遠い未来に水星に移住するときには先立って誘導する」といった目的があるためと言われている。

護法魔王尊は、上記のような特徴がインド神話や近代神智学で語られるサナト・クマーラと類似することから、一般的にもサナト・クマーラと同一視されている。ちなみに、サナト・クマーラは「シャンバラ(チベットの地底王国)を本拠地として住んでいる」といわれるが、魔王尊も「地下空洞の支配者である」といわれており、「鞍馬寺の五月満月祭(ウエサク祭)の宵には、地下のシャンバラ王国が鞍馬山でつながる」といった言い伝えもあるのだという。

尊天について

鞍馬弘教では、尊天とは「この世のすべてを生み出している宇宙生命・ 宇宙エネルギーのこと」としており、その形は一定ではなく、森羅万象 、日月星辰、神仏 といった様々な姿で現れるとし、そのうち護法魔王尊は「大地の霊王であり、力の象徴である」とされている。

護法魔王尊と鞍馬天狗

鞍馬寺にある護法魔王尊の尊像は「高い鼻、長い髭、大きな翼、山伏のような格好」という特徴を持っており、いわゆる天狗といったものになっている。これに関して、鞍馬弘教では「護法魔王尊は護法魔王尊こそ天狗の総師であり、鞍馬の大天狗は護法魔王尊の使者である」と説明している。このため、鞍馬天狗は "護法魔王尊そのもの" もしくは "護法魔王尊の配下" であるといわれている。

データ


種 別 神仏
資 料
年 代 650万年前
備 考 サナト・クマーラと同一視される

関連項目