みそ五郎 / 味噌五郎【ミソゴロウ】
珍奇ノート:みそ五郎 ― 長崎県に伝わる巨人 ―

みそ五郎(みそごろう)とは、主に長崎県の島原半島に伝わる伝説の巨人のこと。

味噌が大好きな巨人で、人々の仕事を手伝って味噌を分けてもらっていたとされている。


基本情報


概要


みそ五郎は長崎県に伝わる巨人で、島原半島に伝わる伝説によれば高岩山に住んでおり、雲仙岳に腰を下ろして有明海で顔を洗うのを日課としていたという。また、味噌が大好きで1日4斗もの味噌を舐めていたと伝えられており、畑仕事や山仕事の報酬として味噌を得ていたとされている。

みそ五郎は人の良い性格で、人々と友好的な関係を築いていたとされており、島が嵐に襲われた時には自ら進んで流される船を陸に引っ張り上げりして人々から感謝されたと伝えられている。このため、伝説に基づいて南島原市役所前にはみそ五郎像が設置されており、西有家町の須川商店街では毎年11月に「みそ五郎まつり」という町おこしイベントが開催されている。この祭では巨大なみそ五郎像が山車に乗せられて町内を練り歩くという。

みそ五郎の名前について
みそ五郎という名前は、伝説では味噌が大好きだったために付けられた愛称とされているが、地域によっては大五郎(うーごろう)や武壮五郎(むそうごろう)とも呼ばれているという。こうした名前の由来には諸説あり、以下のような説が唱えられている。

・味噌説:伝説にある味噌が大好きだったために付けられた愛称という説
・未曾有説:"かつてないほど"の意である"未曾有"から来たという説
・無双御霊説:雲仙岳の化身で"無双"を誇った"御霊"だったことから名が起こったとする説

みそ五郎の痕跡について
伝説によれば、みそ五郎は高岩山で八間石に足を乗せて島原半島の山々や有明海を眺めたり、大きな石でお手玉をして遊んでいたとされており、高岩山には足跡やお手玉石と呼ばれる巨石が残されている。また、みそ五郎の行いによって島・山・池などができたという伝説もある。それらの場所と由来には以下のようなものがある。

・お手玉石:みそ五郎がお手玉をして遊んだ石(長崎県南島原市)
・八間石:みそ五郎が足を乗せたと伝わる巨石(長崎県南島原市)
・高岩山麓の赤土:みそ五郎が転んで怪我をした時に流れ出した血が地面に染み込んだという(長崎県南島原市)
・空池:みそ五郎が畑仕事の際に掘りすぎた穴に水が溜まって池になったという(長崎県雲仙市)
・みそ五郎足跡石:宝原にあるみそ五郎の足跡がついた石(長崎県雲仙市)
・湯島(談合島):みそ五郎が畑仕事の際に飛ばした土塊が島になったという(熊本県上天草市)
・大城公園周辺:みそ五郎が運んできた山を捨てたものという伝説がある(長崎県長崎市)

データ


種 別 巨人
資 料 長崎県の伝承
年 代 不明
備 考