緑色火球 ― 緑色に発光する火球現象 ―

緑色火球とは、1940年代に米国南西部で目撃が報告された発光現象のこと。
緑色の火球として観測され、通常の流星(火球)とは異なる特性が記録された。
軍や科学機関による調査が行われたが、現在でも正体不明とされている。
基本情報
概要
緑色火球(りょくしょくかきゅう)は、1948年から1950年代初頭にかけてアメリカ南西部で多数の目撃が報告された未解明の発光現象である。緑色の火の玉のように見えることから緑色火球と呼ばれており、通常の流星とは異なる色調・軌道・速度を示したことから、当時の軍関係者や科学者の間で大きな関心を呼んだ。ロスアラモス国立研究所やサンディア基地といった核関連施設の周辺で多発したことから、軍は特別調査を実施している。
1948年12月5日夜、ニューメキシコ州上空で目撃されたものが初期の報告例である。民間機および軍用機の乗員が「鮮やかな緑色の球体」を観測し、通常の流星とは異なる水平に近い軌道で飛行したように報告された。また、12月8日には2人のパイロットが同様の発光体を見たと報告した。この時期の報告を契機として、軍と科学者による本格的な調査が開始された。
1949年初頭、ロスアラモス国立研究所周辺で緑色火球の目撃が急増した。核関連施設の近くで頻発したことから、軍は安全保障上の懸念を抱き、天文学者リンカーン・ラ・パズが調査を担当した。ラ・パズは飛行特性が隕石とは一致しないと指摘し、現象の性質について議論が高まった。同年12月に、米空軍は緑色火球の観測を目的とした「プロジェクト・トゥインクル(Project Twinkle)」を開始し、光学観測装置やレーダーを用いた追跡を試みた。しかし、決定的なデータは得られず、破片の回収も行われなかった。プロジェクトは数年後に終了し、公式には「自然現象の可能性が高い」と結論づけられた。
1950年頃には、アリゾナ州やテキサス州でも緑色火球の報告が増加したが、ニューメキシコ州ほどの集中発生は見られず、軍の調査も縮小されていったとされる。なお、2010年代以降も日本やオーストラリアなど世界各地で緑色の火球現象がたびたび観測されている。しかし、その多くは大型流星や火球として説明されており、1948年から1950年代にニューメキシコ州で多発した「緑色火球現象」と同一の現象であるかは確認されていない。
緑色火球の正体については複数の説が存在する。自然現象とする説では、銅を含む隕石や大気中のプラズマ現象などが考えられている。また、核実験との関連を指摘する説では、放射性降下物や核実験の影響による発光現象とする見方があるほか、月面衝突により放出された物質が地球近傍で観測されたとする説もある。軍事技術説では、当時の秘密航空機や極秘兵器の試験であるとする推測があった。さらにUFO研究の立場では、緑色火球を地球外知的存在による現象とみなす見解も存在する。しかし、いずれの説も決定的な証拠は確認されていない。
現在の評価では「特殊な火球現象だった可能性」が有力視されているものの、完全な説明には至っていない。そのため、現在でも緑色火球は20世紀中盤を代表する未解明現象の一つとして扱われており、隕石学・軍事史・UAP研究の分野で議論が続いている。
データ
| 種 別 | 未確認飛行物体、珍現象 |
|---|---|
| 目撃地 | アメリカ(あるいは世界各地) |
| 年 代 | 1948年~ |
| サイズ | 不明 |
| 備 考 | 自然現象の可能性が高いとされている |
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