メルカバー ― 旧約聖書に登場する神の戦車 ―

メルカバーとは、旧約聖書『エゼキエル書』に登場する神の戦車のこと。
空から現れた奇妙な物体と、その上の玉座に座った神が目撃されたと記されている。
基本情報
概要
メルカバー(Merkabah)は、旧約聖書『エゼキエル書』に記された「神の戦車の幻視」を指す名称である。預言者エゼキエルは、「空から現れた奇妙な物体と、その上の玉座に座った神」を目撃したとされる。後世のユダヤ神秘主義では、この幻視を「メルカバー(神の戦車)」と呼ぶようになった。
なお、原典に近い内容は以下の通りである。
私が見ていると、北の空から激しい風を伴う巨大な雲が現れた。その内部では火が燃え続け、周囲はまばゆく輝いていた。
火の中からは四つの生き物が現れた。その姿は人に似ていたが、それぞれ四つの顔と四つの翼を持っていた。顔は人・獅子・雄牛・鷲の四種類であり、足はまっすぐで、足の裏は子牛の蹄のようであった。また、磨かれた青銅のように輝いていた。
翼を広げる音は大水の音や軍勢の音のように響いた。
私が生き物を見ていると、その傍らには四つの車輪があった。車輪は緑柱石のように輝き、四つとも同じ形をしていた。
その構造は「一つの車輪の中にもう一つの車輪がある」ようであった。それらは四方のどちらにも進むことができ、進む際に方向を変えることはなかった。
車輪の輪縁は高く恐ろしく、その周囲には無数の目があった。生き物が進むと車輪も進み、生き物が地から上がると車輪も共に上昇した。生き物の霊は車輪の中にもあった。
生き物の頭上には、水晶のように輝く大空が広がっていた。
その大空の上にはサファイアのような玉座があり、その玉座の上には人の姿のような存在が見えた。その姿は腰から上が金属のように輝き、腰から下は火のように見え、その周囲は光に包まれていた。
その輝きは、雨の日の雲の中に現れる虹のようであった。
(エゼキエル書1章4~28節 要約)
火の中からは四つの生き物が現れた。その姿は人に似ていたが、それぞれ四つの顔と四つの翼を持っていた。顔は人・獅子・雄牛・鷲の四種類であり、足はまっすぐで、足の裏は子牛の蹄のようであった。また、磨かれた青銅のように輝いていた。
翼を広げる音は大水の音や軍勢の音のように響いた。
私が生き物を見ていると、その傍らには四つの車輪があった。車輪は緑柱石のように輝き、四つとも同じ形をしていた。
その構造は「一つの車輪の中にもう一つの車輪がある」ようであった。それらは四方のどちらにも進むことができ、進む際に方向を変えることはなかった。
車輪の輪縁は高く恐ろしく、その周囲には無数の目があった。生き物が進むと車輪も進み、生き物が地から上がると車輪も共に上昇した。生き物の霊は車輪の中にもあった。
生き物の頭上には、水晶のように輝く大空が広がっていた。
その大空の上にはサファイアのような玉座があり、その玉座の上には人の姿のような存在が見えた。その姿は腰から上が金属のように輝き、腰から下は火のように見え、その周囲は光に包まれていた。
その輝きは、雨の日の雲の中に現れる虹のようであった。
(エゼキエル書1章4~28節 要約)
なお、後の『エゼキエル書』10章では、この四つの生き物が『ケルビム』であることが明言され、車輪と生き物が同期して移動・上昇する様子が改めて描写されている。これらの記述は、後代のユダヤ神秘主義において「メルカバー神秘主義」として発展し、天界の階層構造や神の玉座への上昇を中心とした神秘思想の基礎となった。
こうしたエゼキエル書の描写から、UFO研究の文脈では聖書に記されたUFO目撃談として引用されることがある。特に「炎と閃光を伴って空から現れる」「四方に向きを変えず移動する」「車輪の中の車輪」「大きな轟音」などの描写が、現代のUFO報告と類似しているとして注目されることがある。ただし、ユダヤ教やキリスト教では神の栄光を象徴的に表現した幻視であると解釈されている。
データ
| 種 別 | 伝説の乗物 |
|---|---|
| 資 料 | 旧約聖書『エゼキエル書』 |
| 年 代 | 紀元前6世紀 |
| 備 考 | 原典では神の戦車とされる。後代のユダヤ神秘主義でメルカバーと呼ばれるようになった |
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