委蛇【イイ/ヰイ】

委蛇（いい）とは、中国神話に登場する伝説の怪蛇のこと。

人ような顔を持つ双頭の蛇であり、特に雷音を嫌うといわれている。

基本情報

概要

委蛇は中国神話に伝えられる伝説の怪蛇で、『山海経（海内北経）』や『荘子（達生篇）』などに登場している。

これらの資料によれば、委蛇は別名を延維といい、人のような2つの頭に、蛇の身体を持ち、轅（ながえ 馬車を引くための2本の棒）のような長さで、胴は紫・頭は赤色（紅色）であり、特に雷音を嫌って雷が鳴ると鎌首をもたげる とされている。

また、『山海経』には「延維（委蛇）を見た後に命のある者は天下に覇を唱える」、『荘子』には「斉の桓公が委蛇を見た。その後 桓公は春秋五覇の一人になった」とあることから、目撃すれば天下の覇権を握ることができるともいわれているようだ。

データ

種　別	伝説の生物
資　料	『山海経』『荘子』ほか
年　代	紀元前
備　考

資料

『山海経』

委蛇

苗民という人々には、首が人で身体が蛇の神がいる。

轅（ながえ）のように長く、左右に首があり、身体は紫で頭は赤い。

名は延維とも言う。云々