両面宿儺/宿儺【リョウメンスクナ/スクナ】
珍奇ノート:リョウメンスクナ ― 日本神話に登場する2つの顔と4本の手足を持つ人 ―

両面宿儺(りょうめんすくな)は、仁徳天皇の時代に飛騨国にいたとされる異形の人のこと。

『日本書紀』には 2つの顔と4本の手足を持つ という特徴が記されており、凶賊として討伐されたと伝えられている。

また、岐阜県の民間伝承にも登場しており、こちらでは悪鬼や毒竜を退治したとして英雄視されている。


基本情報


概要


リョウメンスクナは『日本書紀』に登場する人物で「1つの胴体に2つの顔、胴体のそれぞれに手足を持っており、頭頂部が合わさっていてウナジが無く、ヒザはあるが、ヒカガミ(ヒザ裏のくぼみ)とカカトが無かった」という特徴を持ち、仁徳天皇の時代に飛騨国で人民から略奪を繰り返していたことから、武振熊命によって討伐されたと記されている。

また、岐阜県の民間伝承にも盛んに登場しており、こちらでは「悪鬼や毒竜を退治して民衆を救った」「農業を指導した」など、『日本書紀』とは相反した善行が伝えられている。そのため、地元では英雄視されているようだ。また、飛騨地方にいくつかの寺を開いたともいわれており、高山市の千光寺や善久寺では「両面宿儺像」が信仰対象として祀られている。

なお、ネットで「リョウメンスクナ」と検索すると、リョウメンスクナのネットロア(ネット上の都市伝説)がヒットするが、これは2005年頃に2chに書き込まれた体験談のことであり、上記のものとは直接関係しない。しかし「とある解体作業員が、現場で"2つの顔で4本の腕と2本の足を持つ人間のミイラ"を目撃した」ということから始まる なかなか興味深い内容となっている。

また、遺物や遺跡の中にもリョウメンスクナの特徴を持つものがあり、和歌山県の岩橋千塚古墳群では両面に顔のある「両面埴輪」が発掘され、奈良県明日香村にある橘寺には両面に顔のある「二面石」が安置されている。ただし、リョウメンスクナの伝承のある飛騨地方からは遠く離れている場所であるため、これが関係しているかは不明である。

データ


種 別 飛騨地方の怪人
資 料 日本書紀、斐太後風土記、飛騨地方の寺伝 ほか
年 代 仁徳天皇の時代
備 考 1つの胴体に2つの顔と4本の手足を持つとされる(説話によって異なる)

日本神話


あらすじ


仁徳天皇の時代、飛騨国にスクナ(宿儺)という者がおり、1つの胴体に2つの顔、胴体のそれぞれに手足を持っていた。また、力が強くて俊敏で、左右に剣を帯び、4つの手に弓矢を使った。

スクナは、皇命に背いて人民から略奪することを楽しんでいたため、天皇はタケフルクマを派遣して討伐した。

資料




日本書紀巻第十一 大鷦鷯天皇 仁德天皇



仁徳天皇 即位65年、飛騨国に一人の者が居り、名をスクナ(宿儺)といった。

スクナは 1つの身体に2つの顔があるという姿であった。なお、顔はそれぞれが背を向きあっており、イタダキ(頭頂部)が合わさっていてウナジは無かった。また、それぞれの手足があり、ヒザはあったが、ヒカガミとカカトは無かった。

スクナは 力が強いが俊敏に動き、左右に剣を帯びて 4本の手に弓矢を持っていた。また、天皇の命令に従わず、人民から略奪することを楽しみとしていた。

そのため、和珥臣の祖であるナニワノネコタケフルクマ(難波根子武振熊)を遣わせて誅殺した。


民間伝承


民間伝承による両面宿儺


岐阜県の民間伝承では、両面宿儺は神や英雄など崇高な存在として伝えられている。

時代や容姿については様々だが、主に"仁徳天皇の時代に飛騨国に住んでおり、1つの頭に2つの顔があり、4本の手を持つという姿であった"とされ、"悪鬼や毒竜を退治し、各地に寺を開いた"などの伝承があり、善人として描かれることが多い。

このため、美濃・飛騨では両面宿儺が根強く信仰されており、両面宿儺を開基とする寺では「両面さま」や「両面僧都」などという尊称で呼ばれているそうだ。

また、伝承の中には この異形な姿に加えて、"空を飛んだ" あるいは "天船に乗って降臨した"とも伝えられていることから、宇宙人説も唱えられているという。

資料




千光寺の寺伝


珍奇ノート:リョウメンスクナ ― 日本神話に登場する2つの顔と4本の手足を持つ人 ―

仁徳帝のころ飛騨国に宿儺という者があり、八賀郷日面(ひよも)出羽ヶ平(でわがひら)の岩窟中より出現した。

身の丈は18丈、1つの頭に両面あり、四肘両脚を持つ救世観音の化身であり、千光寺を開いた。

この時 山頂の土中に石棺があり、法華経一部・袈裟一帖・千手観音の像一躯を得たと伝えられている。

善久寺の寺伝


珍奇ノート:リョウメンスクナ ― 日本神話に登場する2つの顔と4本の手足を持つ人 ―

仁徳天皇治世の癸酉の年、岩壁が崩れ落ち、その内側から両面宿儺が出現した。

両面宿儺は十一面観音の顕現であると名乗り、当寺を建立したと伝えられている。

このため、当寺では本尊の他に両面宿儺の木像を安置している。



日龍峰寺の寺伝



仁徳天皇の時代に飛騨国に両面宿儺という者がいた。

両面宿儺は顔が2つ 手が4本の剣術の達人であり、高沢山で竜が大暴れしているという噂を聞いて この地に訪れた。

両面宿儺は高沢山で竜と戦い、その首を斬り落とした。

池に沈んだ竜の首からは血が吹き出して谷を流れた。そのことから この地は後に"血野"と呼ばれた。

その後、両面宿儺は竜が棲んでいた この山に祠を建てた。これが今の日龍峰寺である。

また、両面宿儺は飛騨国から高沢山に移り、霊夢の告により観音の分身となったとも伝えられている。

『郷土史壇』



仁徳天皇の頃、下保郷村高沢山に毒竜が棲んでいて人々を苦しめた。

その時、飛騨国には頭の両面に顔があり 手を4本 足を4本持つ宿儺という者いた。

その宿儺は、この村に来て毒竜を退治し、村民を救ったという。



『金山町誌』



飛騨の豪族であった両面宿儺は、タケフルクマが討伐に来ることを知った。

そこで、八賀郷日面出羽ヶ平を出て金山の鎮守山に37日間留まった。

その後、さらに津保の高沢山に向かって立てこもったが、タケフルクマに敗れて討死した。

『金山町誌』の異伝



雲中を飛行していた両面宿儺は「金山の小山が最も清浄な山である」と言い、出波平から金山の小山に飛来した。

そこで37日間 大陀羅尼を唱え、国家安全・五穀豊穣を祈念して 神保の高沢山へと飛び去った。

故に この山を鎮守山と呼び、後に村人が観音堂を建てて祀ったという。



『斐太後風土記』



水無神社は国府より2里余りの場所にある云々…

この山が位山と呼ばれるようになったのは、この山の主で、身体1つに面2つ、それぞれに手足を持つ"両面四手"が、雲の波を分け天船に乗って降臨し、この山で神武天皇に王位を授けたことによるものである。

七儺の伝説



位山には七儺(しちな)という鬼が棲んでおり人民を苦しめていた。

そのため、天皇は両面宿儺に命じて七儺を討伐させたと伝えられている。

なお、「七儺の頭髪」は 神宝として水無神社に納められたという。


ネットロア


あらすじ


岩手県のとある古寺を解体することになった解体作業員が、古寺の中で木箱を発見した。

その木箱は2mほどの大きさの相当古いもので、箱の表に「大正?年7月…?の呪法をもってリョウメンスクナを封じる」と書かれた紙が貼ってあり、開けられないようにクギが打ち付けてあった。

処理について住職に問い合わせると「引き取るまで絶対に開けてはならない」と言われたが、住職が来る前にバイトのイタズラによって開けられており、中には「頭が両側に2つの顔があり、腕が4本、足が2本の異形な人間のミイラ」が入っていた。

現場に到着した住職は「開けたのか!開けたらしまいじゃ!」と怒号を発し、その場で現場作業員のお祓いをしたが、箱を開けたバイトや中身を見てしまった作業員に次々と不幸が起こってしまう。

後日、一人の作業員がミイラの真相を確かめるために住職の息子に問い合わせてみると、このミイラは「大正時代に見世物小屋に売られた奇形の人間」であるということが分かった。

さらに話を突き詰めると「この人は後に新興宗教の教祖に買い取られて、呪法を施されてミイラになり、神話に登場する怪人にちなんでリョウメンスクナと呼ばれ、教祖が国家を呪うための道具とされたのだ」という。

資料




452 その1 sage 2005/09/21(水) 16:10:58 ID:GJUzoiep0

俺、建築関係の仕事やってんだけれども、先日、岩手県のとある古いお寺を解体することになったんだわ。今は利用者もないお寺ね。

んでお寺ぶっ壊してると、同僚が俺を呼ぶのね。「~、ちょっと来て」と。俺が行くと、同僚の足元に、黒ずんだ長い木箱が置いてたんだわ。

俺「何これ?」

同僚「いや、何かなと思って…本堂の奥の密閉された部屋に置いてあったんだけど、ちょっと管理してる業者さんに電話してみるわ」

木箱の大きさは2mくらいかなぁ。相当古い物みたいで、多分木が腐ってたんじゃないかな。

表に白い紙が貼り付けられて、何か書いてあるんだわ。相当昔の字と言う事は分ったけど、凡字の様な物も見えたけど、もう紙もボロボロで何書いてるかほとんどわからない。

かろうじて読み取れたのは、

「大正??年??七月??ノ呪法ヲモッテ、両面スクナヲ???二封ズ」

的な事が書いてあったんだ。

木箱には釘が打ち付けられてて開ける訳にもいかず、業者さんも「明日、昔の住職に聞いてみる」と言ってたんで、その日は木箱を近くのプレハブに置いておく事にしたんだわ。

453 その2 sage 2005/09/21(水) 16:31:26 ID:GJUzoiep0

んで翌日。解体作業現場に着く前に、業者から電話かかってきて、

業者「あの木箱ですけどねぇ、元住職が、絶対に開けるな!!って凄い剣幕なんですよ…なんでも自分が引き取るって言ってるので、よろしくお願いします」

俺は念のため、現場に着く前に現場監督に木箱の事電話しておこうと思い、

俺「あの~、昨日の木箱の事ですけど」

監督「あぁ、あれ!お宅で雇ってる中国人(留学生)のバイト作業員2人いるでしょ?そいつが勝手に開けよったんですわ!!とにかく早く来てください」

嫌な予感がし、現場へと急いだ。プレハブの周りに、5~6人の人だかり。例のバイト中国人2人が放心状態でプレハブの前に座っている。

監督「こいつがね、昨日の夜中、仲間と一緒に面白半分で開けよったらしいんですよ。で、問題は中身なんですけどね…ちょっと見てもらえます?」

単刀直入に言うと、両手をボクサーの様に構えた人間のミイラらしき物が入っていた。

ただ異様だったのは…頭が2つ。シャム双生児?みたいな奇形児いるじゃない。多分ああいう奇形の人か、作り物なんじゃないかと思ったんだが…

監督「これ見てね、ショック受けたんか何か知りませんけどね、この2人何にも喋らないんですよ」

中国人2人は俺らがいくら問いかけても、放心状態でボーっとしていた(日本語はかなり話せるのに)。

459 その3 sage 2005/09/21(水) 17:07:49 ID:GJUzoiep0

あ、言い忘れたけど、そのミイラは

「頭が両側に2つくっついてて、腕が左右2本ずつ、足は通常通り2本」という異様な形態だったのね。

俺もネットや2ちゃんとかで色んな奇形の写真見たことあったんで、そりゃビックリしたけど、「あぁ、奇形か作りもんだろうな」と思ったわけね。

んで、例の中国人2人は一応病院に車で送る事になって、警察への連絡はどうしようか、って話をしてた時に、元住職(80歳超えてる)が息子さんが運転する車で来た。

開口一番、

住職「空けたんか!!空けたんかこの馬鹿たれが!!しまい、空けたらしまいじゃ…」

俺らはあまりの剣幕にポカーンとしてたんだけど、住職が今度は息子に怒鳴り始めた。

岩手訛りがキツかったんで標準語で書くけど、

住職「お前、リョウメンスクナ様をあの時、京都の~寺(聞き取れなかった)に絶対送る言うたじゃろが!!送らんかったんかこのボンクラが!!馬鹿たれが!!」

ホント80過ぎの爺さんとは思えないくらいの怒声だった。

住職「空けたんは誰?病院?その人らはもうダメ思うけど、一応アンタらは祓ってあげるから」

俺らも正直怖かったんで、されるがままに何やらお経みたいの聴かされて、経典みたいなのでかなり強く背中とか肩とか叩かれた。結構長くて30分くらいやってたかな。

住職は木箱を車に積み込み、別れ際にこう言った。

「可哀想だけど、あんたら長生きでけんよ」

その後、中国人2人の内1人が医者も首をかしげる心筋梗塞で病室で死亡、もう1人は精神病院に移送、解体作業員も3名謎の高熱で寝込み、俺も釘を足で踏み抜いて5針縫った。

まったく詳しい事は分らないが、俺が思うにあれは やはり人間の奇形で、差別にあって恨みを残して死んでいった人なんじゃないかと思う。

だって物凄い形相してたからね…その寺の地域も昔部落の集落があった事も何か関係あるのかな。無いかもしれないけど。長生きはしたいです

468 その3 sage 2005/09/21(水) 17:40:58 ID:J0sPTefW0

ID変わっちゃったけど452です。いきなりブラックアウトして電源落ちたんでビビッた…

俺だってオカ板覗くらいだから、こういう事には興味しんしんなので、真相が知りたく何度も住職に連絡取ったんだけど、完全無視でした。

しかし、一緒に来てた息子さん(50過ぎで不動産経営)の連絡先分ったんで、この人は割と明るくて派手めの人なんで、もしかしたら何か聞けるかも?と思い今日の晩(夜遅くだけど)飲みに行くアポとれました。

何か分ったら明日にでも書きますわ

476 本当にあった怖い名無し sage 2005/09/21(水) 18:24:34 ID:K2+tPFpq0

リョウメンスクナの話、「宗像教授伝奇考」という漫画に出てきた覚えがある。

スクナ族という、恐らく大昔に日本へ来た外国人ではないかと思われる人が、太古の日本へ文化を伝えた。それが出雲圏の文化形成となり、因幡の白ウサギの伝説もオオクニヌシノミコトの国造りの話もこれをモチーフとした話だろう、と。

そして大和朝廷による出雲の侵略が起こり、追われたスクナ族がたどり着いたのが今の飛騨地方だった。日本書紀によれば、飛騨にスクナという怪物がおり、人々を殺したから兵を送って退治した、という話が書かれている、と。

つまり、スクナというのは大和朝廷以前の時代に日本へ文化を伝えた外来人のことで、恐らくは古代インドの製鉄を仕事とする(そして日本へ製鉄を伝えたであろう)人々のことではないかと書かれていた。

そして、出雲のある場所で見つけた洞窟の奥にあったものが、

「リョウメンスクナ」(両面宿儺)

の像だった、とあった。

477 476 sage 2005/09/21(水) 18:40:24 ID:K2+tPFpq0

スクナ族は、日本へ羅魔船(カガミノフネ)で来た、と書かれ、鏡のように黒光する船であったとのこと。羅魔は「ラマ」で、黒檀系の木の名である、と書かれていたけど、黒ずんだ長い木箱とあったので、これももしかするとラマなのかも…?

とすると、リョウメンスクナ様も、逃げ延びて岩手地方に来たスクナ族の末裔なのかもしれないな。

…と、オカ板的にはあわない内容かも、と思いつつ書いてみたが。

491 452 sage 2005/09/21(水) 22:27:34 ID:ERc7KoX60

すんません。直前になって何か「やはり直接会って話すのは…」とか言われたんで、元住職の息子さんに「じゃあ電話でなら…」「話せるとこまでですけど」と言う条件の元、話が聞けました。

時間にして30分くらい結構話してもらったんですけどね。なかなか話し好きなオジサンでした。要点を主にかいつまんで書きます。

息子「ごめんねぇ。オヤジに念押されちゃって。本当は電話もヤバイんだけど」

俺「いえ、こっちこそ無理言いまして。アレって結局何なんですか??」

息子「アレは大正時代に、見世物小屋に出されてた奇形の人間です」

俺「じゃあ、当時あの結合した状態で生きていたんですか?シャム双生児みたいな?」

息子「そうです。生まれて数年は、岩手のとある部落で暮らしてたみたいだけど、生活に窮した親が人買いに売っちゃったらしくて。それで見世物小屋に流れたみたいですね」

俺「そうですか…でもなぜあんなミイラの様な状態に??」

息子「正確に言えば、即身仏ですけどね」

俺「即身仏って事は、自ら進んでああなったんですか!?」

息子「…君、この事誰かに話すでしょ?」

俺「正直に言えば…話したいです」

息子「良いよ君。正直で(笑) まぁ私も全て話すつもりはないけどね…アレはね、無理やりああされたんだよ。当時、今で言うとんでもないカルト教団がいてね。教団の名前は勘弁してよ。今もひっそり活動してると思うんで…」

俺「聞けば、誰でもああ、あの教団って分りますか?」

息子「知らない知らない(笑)極秘中の極秘、本当の邪教だからね」

俺「そうですか…」

499 その2 sage 2005/09/21(水) 23:25:00 ID:ERc7KoX60

スマソ。またいきなりPCの電源切れて遅くなりました…

息子「この教祖がとんでもない野郎でね。外法(げほう)しか使わないんだよ」

俺「外法ですか?」

息子「そう、分りやすく言えば(やってはいけない事)だよね。ちょっと前に真言立川流が、邪教だ、外法だ、って叩かれたけど、あんな生易しいもんじゃない」

俺「…具体的にどんな?」

息子「で、当時の資料も何も残ってないし偽名だし、元々表舞台に出てきたヤツでもないし、今教団が存続してるとしても、今現在の教祖とはまったく繋がりないだろうし、名前言うけどさ…物部天獄(もののべてんごく)。これが教祖の名前ね」

俺「物部天獄。偽名ですよね?」

息子「そうそう、偽名。んで、この天獄が例の見世物小屋に行った時、奇形数名を大枚はたいて買ったわけよ。例のシャム双生児?って言うの?それも含めて」

俺「…それで?」

息子「君、コドクって知ってる?虫に毒って書いて、虫は虫3つ合わせた特殊な漢字だけど」

俺「壺に毒虫何匹か入れて、最後に生き残った虫を使う呪法のアレですか?(昔マンガに載ってたw)」

息子「そうそう!何で知ってるの君??凄いね」

俺「ええ、まぁちょっと…それで?」

息子「あぁ、それでね。天獄はそのコドクを人間でやったんだよ」

俺「人間を密室に入れて??ウソでしょう」

息子「(少し機嫌が悪くなる)私もオヤジから聞いた話で、100%全部信じてるわけじゃないから…もう止める?」

俺「すみません!…続けてください」

息子「分った。んで、それを例の奇形たち数人でやったわけさ。教団本部か何処か知らないけど、地下の密室に押し込んで。それで例のシャム双生児が生き残ったわけ」

俺「閉じ込めた期間はどのくらいですか?」

息子「詳しい事は分らないけど、仲間の肉を食べ、自分の糞尿を食べてさえ生き延びねばならない期間、と言ったら大体想像つくよね」

俺「あんまり想像したくないですけどね…」

503 その3 sage 2005/09/21(水) 23:47:39 ID:ERc7KoX60

息子「んで、どうも最初からそのシャム双生児が生き残る様に、天獄は細工したらしいんだ。他の奇形に刃物か何かで致命傷を負わせ、行き絶え絶えの状態で放り込んだわけ。奇形と言ってもアシュラ像みたいな外見だからね。その神々しさ(禍々しさ?)に天獄は惹かれたんじゃないかな」

俺「なるほど…」

息子「で、生き残ったのは良いけど、天獄にとっちゃ道具に過ぎないわけだから、すぐさま別の部屋に1人で閉じ込められて、餓死だよね。そして防腐処理を施され、即身仏に。この前オヤジの言ってたリョウメンスクナの完成、ってわけ」

俺「リョウメンスクナって何ですか?」

※>>476氏ほど詳しい説明は無かったが、神話の時代に近いほどの大昔に、リョウメンスクナと言う、2つの顔、4本の手をもつ怪物がいた、と言う伝説にちなんで、例のシャム双生児をそう呼ぶ事にしたと、言っていた。

俺「そうですか…」

息子「そのリョウメンスクナをね、天獄は教団の本尊にしたわけよ。呪仏(じゅぶつ)としてね。他人を呪い殺せる、下手したらもっと大勢の人を呪い殺せるかも知れない、とんでもない呪仏を作った、と少なくとも天獄は信じてたわけ」

俺「その呪いの対象は?」

息子「…国家だとオヤジは言ってた」

俺「日本そのものですか?頭イカレてるじゃないですか、その天獄って」

息子「イカレたんだろうねぇ。でもね、呪いの効力はそれだけじゃないんだ。リョウメンスクナの腹の中に、ある物を入れてね…」

俺「何です?」

息子「古代人の骨だよ。大和朝廷とかに滅ぼされた(まつろわぬ民)、いわゆる朝廷からみた反逆者だね。逆賊。その古代人の骨の粉末を腹に入れて…」

俺「そんなものどこで手に入れて…!?」

息子「君もTVや新聞とかで見たことあるだろう?古代の遺跡や墓が発掘された時、発掘作業する人たちがいるじゃない。当時はその辺の警備とか甘かったらしいからね…そういう所から主に盗ってきたらしいよ」

511 その4 sage 2005/09/22(木) 00:13:22 ID:mdYgh3LB0

俺「にわかには信じがたい話ですよね…」

息子「だろう?私もそう思ったよ。でもね、大正時代に主に起こった災害ね、これだけあるんだよ」

・1914(大正3)年:桜島の大噴火(負傷者 9600人)
・1914(大正3)年:秋田の大地震(死者 94人)
・1914(大正3)年:方城炭鉱の爆発(死者 687人)
・1916(大正5)年:函館の大火事
・1917(大正6)年:東日本の大水害(死者 1300人)
・1917(大正6)年:桐野炭鉱の爆発(死者 361人)
・1922(大正11)年:親不知のナダレで列車事故(死者 130人)

そして、1923年(大正12年)9月1日、関東大震災、死者・行方不明14万2千8百名

俺「それが何か?」

息子「全てリョウメンスクナが移動した地域だそうだ」

俺「そんな!教団支部ってそんな各地にあったんですか?と言うか、偶然でしょう(流石に笑った)」

息子「俺も馬鹿な話だと思うよ。で、大正時代の最悪最大の災害、関東大震災の日ね。この日、地震が起こる直前に天獄が死んでる」

俺「死んだ?」

息子「自殺、と聞いたけどね。純粋な日本人ではなかった、と言う噂もあるらしいが…」

俺「どうやって死んだんですか?」

息子「日本刀で喉かっ斬ってね。リョウメンスクナの前で。それで血文字で遺書があって…」

俺「なんて書いてあったんですか??」

日 本 滅 ブ ベ シ

515 その5 sage 2005/09/22(木) 00:27:58 ID:mdYgh3LB0

俺「…それが、関東大震災が起こる直前なんですよね?」

息子「そうだね」

俺「…偶然ですよね?」

息子「…偶然だろうね」

俺「その時、リョウメンスクナと天獄はどこに…??」

息子「震源に近い相模湾沿岸の近辺だったそうだ」

俺「…その後、どういう経由でリョウメンスクナは岩手のあのお寺に?」

息子「そればっかりはオヤジは話してくれなかった」

俺「あの時、住職さんに(なぜ京都のお寺に輸送しなかったんだ!)みたいな事を言われてましたが、あれは??」

息子「あっ、聞いてたの…もう30年前くらいだけどね、私もオヤジの後継いで坊主になる予定だったんだよ。その時に俺の怠慢というか手違いでね…その後、あの寺もずっと放置されてたし…話せることはこれくらいだね」

俺「そうですか…今リョウメンスクナはどこに??」

息子「それは知らない。と言うか、ここ数日オヤジと連絡がつかないんだ…アレを持って帰って以来、妙な車に後つけられたりしたらしくてね」

俺「そうですか…でも全部は話さないと言われたんですけど、なぜここまで詳しく教えてくれたんですか?」

息子「オヤジがあの時言ったろう?可哀想だけど君たち長生きできないよ、ってね」

俺「…」

息子「じゃあこの辺で。もう電話しないでね」

俺「…ありがとうございました」

以上が電話で話した、かいつまんだ内容です…はっきり言って全ては信じてません。

何か気分悪くなったので今日は落ちますね。連投・長文スマソ。


備考


関連項目


・位山:両面四手(両面宿儺)が天船に乗って降臨した場所とされる
・水無神社:両面宿儺が退治した七儺という悪鬼の頭髪を神宝としているとされる
・千光寺:救世観音の化身である両面宿儺が岩窟から現れて当寺を開いたと伝わる(両面宿儺像を安置)
・善久寺:岩壁から現れた両面宿儺が十一面観音の顕現であると名乗って当寺を開いたと伝わる(両面宿儺像を安置)
・日龍峰寺:高沢山で毒竜を退治した両面宿儺が建てた祠が当寺の始まりと伝えられている

フィクション


・『地獄先生ぬ~べ~』では、飛騨地方に封印されていた双頭四臂の大妖怪として描かれている
・『魔法先生ネギま!』では、巨大怪獣の姿で描かれている