珍奇ノート:神話に登場する未確認飛行物体

世界各地の神話には、空を飛ぶ戦車・船・宮殿が登場するケースが多々確認されている。

これらは主に神々の移動手段として描かれるが、現代におけるUFOと重ねられることもある。

世界各地の神話に記された「空を飛ぶ乗物」には以下のようなものがある。


伝説の飛行物体一覧


ヴィマーナ(インド神話)


珍奇ノート:神話に登場する未確認飛行物体

ヴィマーナ(Vimana)は、古代インド文献に登場する天空の乗物や空中の宮殿を指す総称的な呼称である。『マハーバーラタ』や『ラーマーヤナ』などの叙事詩における戦争場面や神々・英雄の移動場面に登場した。形状や用途は様々だが、空を飛ぶ宮殿や戦車として描かれることが多い。

※後代の文献や図像では「空飛ぶ戦車」「空中宮殿」として描かれ、UFO的な飛行体として言及されることがある。

プシュパカ・ヴィマーナ(インド神話)


珍奇ノート:神話に登場する未確認飛行物体

プシュパカ・ヴィマーナ(Pushpaka Vimana)は、古代インド文献に登場する飛行宮殿である。『ラーマーヤナ』に記されるヴィマーナで、もともとは財宝神クベーラの所有物であった。物語ではラーヴァナが奪い取り、後にラーマへと渡り、物語中ではラーマ一行の移動手段として用いられた。「花のように美しい」と形容され、所有者の意志に応じてどこへでも飛行できる乗物として描かれる。

マアンナ(メソポタミア神話)


珍奇ノート:神話に登場する未確認飛行物体

マアンナ(Ma-anna)は、古代メソポタミア神話において「天の船」を意味するとされる概念的表現である。シュメール語の「ma(船)」と「an(天・神アヌ)」に由来すると解釈されることがあり、神話中に登場する神々の移動手段としての「天舟」のイメージと結び付けられる場合がある。主にイナンナ神話などに見られる神々の移動や神聖な旅の描写に関連づけて語られることがあるが、特定の固有名詞として体系的に定義された単一の乗物ではない。その性質は象徴的で、神話世界における天界と地上を結ぶ移動概念の一形態として理解されている。

メルカバー(旧約聖書)


珍奇ノート:神話に登場する未確認飛行物体

メルカバー(Merkabah)は、旧約聖書『エゼキエル書』に記された「神の戦車の幻視」を指す名称である。原典では「車輪の中に車輪」「金属の輝き」「稲妻のような光」などの描写を伴う神の戦車が登場し、預言者エゼキエルが神の栄光を目撃する場面で語られる。この戦車は神の玉座を支える戦車状の幻視として描かれ、強烈な光・雷鳴・複雑な車輪構造など、象徴的かつ機械的な印象を与える幻視として知られる。

※「メルカバー」という名称は後代のユダヤ神秘主義における名称で原典の固有名詞ではない。

エリヤの火の戦車(旧約聖書)


珍奇ノート:神話に登場する未確認飛行物体

エリヤの火の戦車(Elijah's Chariot of Fire)は、旧約聖書『列王記下』に登場する神の戦車である。預言者エリヤが昇天する場面で登場し、火の戦車と火の馬が突如として現れ、その後にエリヤは旋風によって天へ昇ったと記されている。この戦車は強烈な火炎・光輝・天からの降下と上昇を伴い、神の力を象徴する超自然的な乗物として描かれる。

ラーの太陽船(エジプト神話)


珍奇ノート:神話に登場する未確認飛行物体

ラーの太陽船(Solar Barque)は、古代エジプト神話に登場する太陽神ラーが天空を航行する際に用いる神聖な船である。『死者の書』や各種ピラミッド・テキストにおいて、ラーが昼は天空を、夜は冥界を旅する乗物として記される。太陽の運行を象徴する場面に登場し、太陽神ラーが天を渡る船、あるいは闇を切り開いて冥界を進む船として描かれる。その形状は儀礼的なナイル川の船を基にしつつ、神々・守護者・象徴的な装飾を伴う“天空の船”として表現される。

ヘリオスの太陽戦車(ギリシア神話)


珍奇ノート:神話に登場する未確認飛行物体

ヘリオスの太陽戦車(Chariot of Helios)は、ギリシア神話に登場する太陽神ヘリオスが天空を横断する際に用いる輝く戦車である。古代ギリシアの叙事詩や神話伝承において、ヘリオスは毎朝東の地平から昇り、昼に天空を駆け、夕に西の果てへ沈む太陽の運行を戦車によって行うと記される。戦車は火のような光を放ち、馬に牽かれて天空を駆ける乗物として描かれ、昼の天空を横断する太陽の動きを象徴する存在である。

天鳥船(日本神話)


珍奇ノート:神話に登場する未確認飛行物体

天鳥船(アメノトリフネ)は、日本神話に登場する神あるいは神の乗物である。『古事記』においては、国譲り神話の際にタケミカヅチの副神として出雲に天降ったとされる。『日本書紀』においては、国譲り神話の際に国譲りの条件の一つとしてオオクニヌシの海遊具として造られることになったとされる。人格神とも乗物ともとれるような記述であり、形状や用途などは明確には記されていないが、神々の移動や降臨に関わる存在として描かれている。

※別名を鳥之石楠船(トリノイワクスフネ)といい、主祭神として祀る神社もある。

天磐船(日本神話)


珍奇ノート:神話に登場する未確認飛行物体

天磐船(アメノイワフネ)は、日本神話に登場する神の乗物であり、饒速日尊(ニギハヤヒ)が大和地方の哮峰(いかるがのみね)に天降る際に乗ってきたとされる。『先代旧事本紀』には「饒速日尊は天磐船に乗って大虚空(おおぞら)を駆け巡り、この地を見ながら天降った。そのため、虚空見つ日本の国(そらみつやまとのくに)といわれる」と記されることから、空飛ぶ乗物であったと解釈されることがある。なお、大阪府交野市にある磐船神社は天磐船とされる巨石を御神体として祀っており、現在でもそれを見ることができる。

※天鳥船と異なり、明確に乗物として記されている

龍車(中国神話)


珍奇ノート:神話に登場する未確認飛行物体

龍車(りゅうしゃ)は、中国の神仙思想や後代の道教系伝承・図像において、龍が牽引する神聖な乗物として描かれる象徴的な天の車である。龍は古くから天と地を往来する霊獣とされ、神仙や天帝の移動を支える存在として表現されることがある。主に天界への昇降や神聖な移動の象徴として用いられ、龍が車を牽く姿は権威や超自然的力の象徴として後世の図像・伝承に見られる。その形状は一定ではないが、龍を前方に配した車輌形式の表現が一般的である。

スキーズブラズニル(北欧神話)


珍奇ノート:神話に登場する未確認飛行物体

スキーズブラズニル(Skíðblaðnir)は、北欧神話に登場するフレイの所有する魔法の船であり、神々の乗物として語られる。『散文のエッダ(スノッリのエッダ)』では、ドヴェルグ(小人族)が造った最良の船とされ、常に順風を受けて航行できるほか、折りたたんで懐に入れられるほど小さくすることができると記される。主に神々の移動や旅の場面に登場し、状況を問わず航行できる“魔法の船”として描かれる。その性質は象徴的で、フレイの豊穣神としての力を示す神聖な乗物として位置づけられている。

マナナン・マクリルの船(ケルト神話)


珍奇ノート:神話に登場する未確認飛行物体

マナナン・マクリルの船(Manannán's Ship)は、アイルランド神話に登場する海神マナナン・マクリルが所有する魔法の船である。伝承では、この船は帆や櫂を用いずに自ら航行し、乗員を望む目的地へ運ぶ能力を持つとされる。主に神々や英雄が異界(アザー・ワールド)へ向かう場面に関連して語られ、海と異界を結ぶ神秘的な乗物として位置付けられている。その性質は象徴的で、ケルト神話における境界越えや異界渡航のイメージを体現する存在として知られている。

ローエングリンの白鳥船(ゲルマン伝承)


珍奇ノート:神話に登場する未確認飛行物体

ローエングリンの白鳥船(Lohengrin's Swan Boat)は、中世ドイツの白鳥騎士伝説およびローエングリン伝承に登場する神秘的な船である。物語では、白鳥に曳かれた船に乗った騎士ローエングリンが川を渡って現れ、助けを求める姫を救うために到来する。この船は通常の移動手段というよりも、騎士がどこから来たのかを明かさない神秘性や、異界との結び付きを象徴する存在として描かれる。