木の葉天狗 / 木葉天狗【コノハテング / コッパテング】
珍奇ノート:木葉天狗 ― 鳥型の天狗 ―

木葉天狗とは、鳥のような特徴を持つ天狗の一種のこと。

鳥あるいは鳥人間のような姿であり、天狗界における下級の天狗とされる。


基本情報


概要


珍奇ノート:木葉天狗 ― 鳥型の天狗 ―
歌川国貞『木の葉天狗』
珍奇ノート:木葉天狗 ― 鳥型の天狗 ―
林十江画『木の葉天狗図』

木葉天狗は、日本に伝わる天狗の一種で、鳥のような特徴を持つとされている。境鳥とも呼ばれる。

『義経記』や『平治物語』などにある牛若丸伝承を題材とした能『鞍馬天狗』では、鞍馬山の大天狗(鞍馬天狗)が牛若丸に兵法を授け、その配下の木葉天狗が牛若丸の稽古相手となっている。その姿は、顔にクチバシ、背中に翼を持ち、兜巾・鈴掛・野袴を着用した山伏のようであるとされる。なお、能『鞍馬天狗』における木端天狗は、小天狗や烏天狗と呼ばれることもある。

一方で、江戸中期の奇談集『諸國里人談』には、静岡県の大井川で木葉天狗を目撃したという話がある。それは「鳶(トビ)のような姿で、翼を広げると6尺(約1.8メートル)ほどもある大鳥のようなもの」と記されており、鳥類のような姿の天狗であることが示されている。なお、江戸中期の林十江『木の葉天狗図』でも鳥のような姿で描かれている。

江戸後期の随筆集『甲子夜話』巻七十三の「昔天狗に連れ去られた男の話」では、著者・松浦静山の家の下男・源左衛門が、7歳の頃に天狗にさらわれたという奇談が語られている。源左衛門によれば、天狗界では木葉天狗は白狼(はくろう)と呼ばれていたという。白狼は、老いて白毛となった狼が天狗となったものであり、他の天狗が使う金を稼ぐために働く、地位の低い天狗であるとされている。

江戸後期の怪談集『岩邑怪談録』には、右衛門という猟師の前に木端天狗が小僧の姿で現れたという話が語られている。小僧が銃を撃つように促してきたが、右衛門は小僧の正体が木葉天狗と見抜いていたため、度肝を抜いてやろうと無言で発砲した。すると、小僧は右衛門の腕前を褒めてさっき発砲した弾丸を差し出してきたので、右衛門が呆気に取られていると小僧は姿を消してしまったとされている。

データ


種 別 妖怪、UMA、伝説の生物
資 料 能『鞍馬天狗』『諸國里人談』『甲子夜話』ほか
伝承地 静岡県ほか
年 代 古代
備 考 鳥型と鳥人間型の二種類が語られている