ゴートマン ― アメリカで目撃されたヤギ・ヒツジのような人間 ―
ゴートマンとは、アメリカで目撃されているUMAのこと。
半人半獣のヤギやヒツジに似た生物であるとされ、人や家畜を襲うことから恐れられている。
なお、カリフォルニア州では目撃地にちなんでビリワック・モンスター(Billiwack Monster)とも呼ばれている。
また、ゴートマンを直訳するとヤギ男になるが、日本ではヒツジ男と訳されることが多い。
基本情報
概要
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2016年にワシントンD.Cで撮影されたゴートマン |
ゴートマンは、アメリカ各地で目撃されている人型のUMAであり、目撃情報によれば 体長2~3メートルで、ヤギやヒツジに似た顔で、頭に長い角が生えており、二足歩行で、足には先端の割れた蹄を持つ などの特徴があるといわれている。
主な目撃地はカリフォルニア州とメリーランド州で、いずれも1950~1960年代に目撃されるようになり、斧や棍棒などの武器を持ち、人間や家畜を襲って食べる という点で共通している(それぞれの情報は下記を参照)。
しかし、ルーツとなる都市伝説の内容に違いがあり、カリフォルニア州の場合は「戦時中に米軍が研究開発していた生物兵器が逃げ出したもの」で、メリーランド州の場合は「科学者がヤギのDNAを取り込んで突然変異したもの」といわれている。
なかなかSFチックな都市伝説から生まれた怪物であるが、現地ではゴートマンの仕業とされる子供の失踪事件や殺人事件も多数報告されていることから、単に娯楽として語られるものではないのかもしれない。
なお、2016年にはワシントンD.Cの森の中でゴートマンらしき生物の写真が撮影され、ニュースにもなっている。
・体長2~3メートル
・背が高く、筋肉質の人間のような身体を持つ
・頭に長い角を持つ(ヤギやヒツジに似ている)
・頭髪はカールしている(灰色とも)
・顔はヤギやヒツジに似ている
・指にかぎ爪がある
・斧や棍棒などの武器を扱う
・二足歩行
・足の先端の割れた蹄を持つ
・人間の悲鳴や怒号のような鳴声で鳴く
データ
種 別 | UMA、怪人 |
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目撃地 | アメリカ(カリフォルニア州、メリーランド州) |
年 代 | 1950年代~(もっと古いという説もある) |
体 長 | 2~3メートル |
備 考 | 都市伝説がある |
カリフォルニア州のゴートマン
概説
カリフォルニア州のゴートマンは、1950年代から主にサンタ・ポーラという街で目撃されており、ビリワック・デリーという酪農工場の跡地付近での目撃例が多いことからビリワック・モンスターとも呼ばれている。
なお、ビリワック・デリーには「戦時中に米軍の生物兵器工場として使われていた」という噂があり、「ゴートマンはビリワック・デリーの生物実験によって誕生したモンスターで、工場から逃げ出して人を襲っている」という都市伝説も存在する。
現地ではサンタ・ポーラの高校生からの目撃報告が多く、頭にヒツジのような長い角を持つ、頭髪は灰色でカールしている、背が高く筋肉質な体型である などの特徴があるといわれている。また、大きな棍棒のような武器を持って歩いていた、車に石を投げつけられた など鬼気迫る目撃情報も寄せられているという。
なお、1950~1960年代には、子供が襲われて腕と背中を傷つけられた、ハイカーが長時間追い回された、子供が襲われてショットガンで応戦した などの事件も起こっており、そのいくつかは新聞記事にもなっているようだ。
また、ゴートマンに家畜が襲われたという事例が多いことから、現地では目撃情報が集中するアリソ・キャニオン・ロードやウィーラー・キャニオン・ロードの牧場付近を根城にしていると推測されている。
ちなみに、カリフォルニア州はビックフットの目撃多発地帯としても知られており、ゴートマンの正体について ビックフットそのもの、また その仲間ではないかという説も唱えられているらしい。
都市伝説
カリフォルニア州のゴートマン(ビリワック・モンスター)の目撃情報は、サンタ・ポーラのビリワック・デリー周辺に集中している。このビリワック・デリーとは戦前の1924年8月に操業開始した当時最先端の酪農工場であり、明らかに地下室と地下トンネルが存在するといわれている。
そのため、現地では「経営者は大戦中にOSS(戦略諜報局)と繋がりがあり、OSSの要請で地下室を生物兵器の秘密工場として使っていた。そこで誕生したビリワック・モンスターが壁を壊して工場から逃げ出し、付近の住民を襲うようになった」と噂されているという。
また、1939年にはビリワック・デリーから西に15キロほど離れた場所にあるオーハイという町で、半人半獣のサルのような生物が目撃されている。この生物は、中高生ぐらいの背丈で、全身が黒い毛で覆われており、長い腕であったと報告されており、この生物についてもビリワック・デリーで誕生したモンスターという噂があるようだ。
目撃情報
・1950年代、ビリワック・デリー付近で9歳の少年が奇妙な生物と遭遇し、かぎ爪で背と腕を傷つけられた
・1964年、奇妙な生物がハイカーを追いかけ回したという事件が起こり、現地の新聞記事にもなったという
・1964年、ある女性から子供が怪物に追い回されているという通報があった(ショットガンで応戦したとも)
メリーランド州のゴートマン
概説
メリーランド州のゴートマンは、1960年代から目撃されており、目撃情報によれば「森の中に棲み、人や家畜を襲うヤギのような姿の人間」といわれている。だが、身体的な特徴についての証言は少ない。
また、現地には「遺伝子を研究していた科学者が、ヤギのDNAを自分に融合させて半人半獣の怪物になり、斧を持って人間を襲うようになった」という都市伝説がある。
なお、メリーランド大学の民俗学者によれば、ゴートマンの伝説はかなり古くから存在しており、1971年に家畜を食べるゴートマンが目撃された事件によって世間に広まったといわれている。
また、近年では若者が退屈しのぎにゴートマンの伝説を模倣して、目撃スポットを訪れるファンやカップルを襲うこともあるらしく、こうした事件からデマが生まれているという見解もあるようだ。
都市伝説
メリーランド州の都市伝説によれば「メリーランドにあるUSDA(米国の農務省)の研究施設でヤギの遺伝子研究をしていた科学者が、自分とヤギのDNAを融合する実験によってヤギのような姿になった。そして、斧を片手にメリーランドの道路を徘徊し、通りかかった車に次々と襲いかかった」といわれている。
なお、この伝説にはいくつかのバリエーションがあり、1950年前後に初期のDNA実験を行ったスティーブン・フレッチャー(Stephen Fletcher)という科学者をモデルにしたものと、非科学的な現象を起源としたものに分かれるらしい。
目撃情報
・1963年、ハンティントンの森の中で、若い夫婦によってゴートマンが目撃された
・1968年10月、ランドバー・ヒルズで、ハロウィンの夜に子供がゴートマンに連れ去られる事件が起こった
・1971年4月、フレッチャーウォーン周辺で、農夫がブタの死骸を食べるゴートマンを目撃した
・1972年8月、グリーンベルト森の中でゴートマンに襲われた人間の遺体が発見された
・1976年9月、ウッドモアにあるゴルフ場で、ゴルフ場の庭師がゴートマンらしき遺体を発見した
・1977年、カップルがドライブをしていた時に斧を持ったゴートマンに襲われた
・1980年3月、ブーイの川岸でゴートマンに襲われた人間の遺体を発見が発見された
・1985年10月、メリーランド州の廃病院でゴートマンらしき奇声を聞いたという報告があった
・1990年8月、マグルーダー公園付近の森の中で少年がゴートマンと遭遇した
・1998年5月、ブーイの森の中で、地元の若者たちによってゴートマンが目撃された
・1998年11月、ラーゴの道路に放置されている自動車の中から、ゴートマンに襲われた人間の遺体が発見された
・2007年7月、グレナーデンのゴルフ場で、地元TV局のカメラクルーにゴートマンの姿が撮影された
・2008年10月、ミッチェルビルで少年の失踪事件が起こり、ゴートマンの仕業だと噂された
1963年のハンティントンでの目撃例
1963年6月、メリーランド州のハンティントンの森の中で、若い夫婦が奇妙な生物を目撃した。
妻は この生物について「ボロボロで、背の高い人間のような動物だった」と語っているという。
1968年のランドバー・ヒルズでの目撃例
1968年10月、メリーランド州のランドバー・ヒルズで、ハロウィンの夜に子供が帰ってこないという事件が起こった。
警察が付近を捜索したところ、子供が身に付けていたマスクと靴は発見されたが、子供を発見することはできなかった。
1971年のハンティントンでの目撃例
1971年4月、メリーランド州のフレッチャーウォーン周辺で、農夫がブタの死骸を食べる奇妙な生物を目撃した。
それは 大きな男のような生物で、農夫が近づくと その生き物は逃げ出してしまったという。
1972年のグリーンベルトでの目撃例
1972年8月、メリーランド州のグリーンベルトで、ある女性が犬を連れて散歩していたところ、森の中に向かって急に犬が吠えだし、紐を引っ張って導こうとするので、その方向に向かってみると何かの遺体が横たわっていた。
女性は最初は大きな動物の遺体だと思ったが、遺体が腕時計をしていたので人間の遺体だということに気づいたという。
1976年のウッドモアでの目撃例
1976年9月、メリーランド州のウッドモアにあるゴルフ場で、ゴルフ場の庭師が未知の生物の遺体を発見した。
その遺体を処分しようとした時に低い物音がしたので、そこに目を向けると大きな未知の生物が立っていたという。
1977年の目撃例
1977年、2人のカップルがドライブデートをしていた時に自動車を傷つけるような音が聞こえた。そこで車のライトを点けてみると、そこにはヤギのような姿の人間が立っていた。
驚いたカップルは車を急発進させて逃げ出したが、ヤギのような男はしばらく車を追ってきて斧で車を殴り続けた。帰ってから車を確認してみると、ボディーは傷だらけになっていたという。
1980年のブーイでの目撃例
1980年3月、メリーランド州のブーイのクライベイビー・ブリッジ付近で、カヌーに乗っていたボーイスカウトが川岸で人間の遺体を発見した。
その遺体は細かく解体された様子で、検死官も死因を特定できず、大型の動物に殺されたのだろうと結論づけた。
1985年のグレン・デールでの目撃例
1985年10月、メリーランド州の警察官が「廃病院で若者が騒いでいる」という通報で現場に駆けつけたところ、今までに聞いたことのない奇妙な音が聞こえた。警察官は原因を突き止めようと周辺を探ってみたが、結局原因は分からなかったという。
1990年のマグルーダー・パークでの目撃例
1990年8月、メリーランド州のマグルーダー公園で誕生日パーティーをしていた少年が、ボール遊びで飛ばしたボールを追いかけて森の中に入っていった。
しばらくすると少年の叫び声が聞こえたので、大人たちが駆けつけてみると、少年は何かに怯えるように震えていた。この後、少年は母親に「森の中で赤目の黒い何かを見た。夜になるとそれが僕の部屋の隅に立っている」と話したという。
1998年のブーイでの目撃例
1998年5月、メリーランド州のブーイで地元の若者たちが集まって酒を飲んでいたところ、近くの草むらから妙な物音が聞こえ、何かが動く気配がした。
そこで、若者のうち2人が正体を突き止めようと追いかけていくと、それは背の高い人間のような生物で、森林の中を走り去っていったという。
1998年のラーゴでの目撃例
1998年11月、メリーランド州のラーゴで「道路に車が乗り捨てられている」との通報があり、現場に到着した警官によって車中から人間の遺体が発見された。
検死の結果、その遺体の死因は顔面裂傷による出血多量であり、他にも肩の一部の欠損や、傷口の周辺に咬み付いた跡が見つかったと報告されたという。
2007年のグレナーデンでの目撃例
2007年7月、メリーランド州のグレナーデンで地元のゴルフトーナメントを撮影していたテレビ局のカメラクルーが、周辺の森林の中で動く奇妙な生物を目撃した。
その生物は森林の奥に走り去っていったが、その時に数秒間のビデオ撮影に成功したという。
2008年のミッチェルビルでの目撃例
2008年10月、メリーランド州のミッチェルビルで自転車に乗って出かけた12歳の少年が失踪するという事件が起こった。
少年は仕事中の父親に目撃されたのを最後に家に帰ってこなかったので、警察に捜索願が出された。警察が近辺を捜索したところ、少年が乗っていた自転車が森の中で見つかったが、少年を見つけることはできず、結局 行方不明となってしまったという。
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