サンダーバード【Thunderbird】
珍奇ノート:サンダーバード ― 北米の先住民族に伝承される雷を起こす巨大鳥 ―

サンダーバードとは、北米の先住民族に伝わる伝説の巨鳥のこと。

大きなワシのような姿であり、自由自在に雷を起こすことができるといわれている。

また、北米で目撃されている巨大鳥のUMAの呼称にもなっている。


基本情報


概要


珍奇ノート:サンダーバード ― 北米の先住民族に伝承される雷を起こす巨大鳥 ―
サンダーバードのトーテムポール
珍奇ノート:サンダーバード ― 北米の先住民族に伝承される雷を起こす巨大鳥 ―
サンダーバードを描いた壁画

サンダーバードは、カナダやアメリカの先住民族に伝わる伝説の巨大鳥であり、雷を自在に操ることができ、人々を守るために怪物や悪霊と戦ったり、人々を飢餓から救うために食糧を運んでくる などといわれている。

ただし、伝説の内容は各部族によって異なるため、容姿や性格については様々なものがある。また、現地の先史時代の壁画に描かれているサンダーバードの姿にもいくつかの種類がある。

なお、現代ではトーテムポールになっていたり、部族の署名や民族衣装などのシンボルとしても使われているようだ。

UMAとしてのサンダーバード


19世紀半ばから北米大陸を中心に翼長4メートル以上の巨大鳥の目撃情報が相次いで報告されている。

現地の伝説にからサンダーバードと呼ばれることもあるが、姿についてはコンドル型や翼竜型など目撃例によって様々であることから、総称してビッグバードと呼ばれることが多いという。

データ


種 別 伝説の生物
資 料 北米の先住民族の伝説
年 代 不明
備 考 北米で目撃されている巨鳥UMAも同名で呼ばれることがある

伝説


アルゴンキン族の神話


アルゴンキン族の神話によれば、水豹(Underwater Panther)や角蛇(Horned Serpent)が水中を支配するのに対し、サンダーバードは上空を支配しているといわれ、羽ばたいて雷を起こし、水中生物に対して落としたりするという。

なお、この神話で伝えられるサンダーバードはX字型の姿で描かれている。

メノミニー族の神話


メノミニー族の神話によれば、彼らの住むウィスコンシン州北部の西の空に浮かぶ大きな山にサンダーバードが棲んでいるといわれ、雨や雹を操り、偉大な戦いや行為を喜ぶと伝えられているという。

また、サンダーバードは大蛇(Misikinubik)と敵対しており、この大蛇が地球上の人々を襲いすぎて滅亡させてしまいそうになったとき、サンダーバードが戦って撃退してくれたので、彼らには偉大なる太陽の化身 あるいは 太陽の使者であると信じてられているようだ。

オジブワ族の神話


オジブワ族の神話によれば、彼らの英雄であるナナボゾ(Nanabozho)が、水の精霊と戦うためにサンダーバードを作ったと伝えられており、規則に違反した人間の処罰にも使われたといわれている。

また、サンダーバードは彼らの四方に棲み、春に他の鳥とともに彼らの前に現れて、水の精霊が最も危険になる秋が過ぎると南方に飛び立ち、彼らの前から姿を消したという。

クイルラユー族の伝説


クイルラユー族の伝説によれば、サンダーバードは巨大でえぐれたようなクチバシを持ち、目は炎のように燃えたぎっており、翼はカヌーの倍以上もあるといわれている。

オリンピック山脈に棲み、鯨を獲って食べるとされ、クイルラユー族が飢饉で困窮した際に族長が精霊に祈ったところ、サンダーバードが鯨を持って現れて部族の危機を救ったと伝えられているという。

スー族の伝説


スー族の伝説によれば、サンダーバードはクチバシと蹴爪だけの存在で「ワキンヤン」と呼ばれているようだ。

ウイニバーゴ族の伝説


ウイニバーゴ族の伝説によれば、単独で飛翔するサンダーバードを見た者が戦争のリーダーとなるという。

その他


・コマンチェ族はバー(ba'a')と呼ぶ
・ポタワトミ族はチェーグワー(chequah)と呼ぶ