ペラゴニス・サンデルシ【Pelagornis sandersi】
珍奇ノート:ペラゴニス・サンデルシ ― 北米に棲息していた史上最大の古代鳥 ―

ペラゴニス・サンデルシとは、漸新世に北米に棲息していた大型の古代鳥のこと。

翼長7メートルを超える巨大な翼を持ち、アホウドリのように空を飛んでいたと考えられている。

なお、この鳥は飛行可能な鳥類としては史上最大であるといわれている。


基本情報


概要


珍奇ノート:ペラゴニス・サンデルシ ― 北米に棲息していた史上最大の古代鳥 ―

ペラゴニス・サンデルシは、2500万年前に北米に棲息していた大型の鳥類であり、その化石から推定されるサイズは 翼長6.1~7.4メートル、体重22~40キロ ほどもあるといわれている。また、クチバシには歯のようなギザギザした突起が並んでおり、足は短くて不便だが、崖から飛び降りるだけで飛ぶことができたと考えられている。

なお、ペラゴニス・サンデルシの翼長は、現存する最大級の鳥類であるワタリアホウドリ(3.6メートル)やアンデスコンドル(3.2メートル)の約2倍であり、かつて史上最大とされていたアルゲンタビスよりも1.2メートル以上長いことから、現在では史上最大の鳥類であると考えられている。

ペラゴニス・サンデルシの発見

ペラゴルニス・サンデルシの化石は、1983年に米国のサウスカロライナ州にあるチャールストン国際空港の新ターミナル建設現場で発掘された。なお、この鳥が生きていた2500万年前は今よりも海面が10メートルほど高く この地域は海だったとされる。

発掘を指揮したのはチャールストン博物館の自然史博士であったアルバート・サンダースであり、発見された頭骨、翼、脚部の骨は長らくチャールストン博物館に保管されていたが、これが鳥類古生物学者のダニエル・セプカに見せられたことで2014年に新種と同定され、サンダースにちなんでペラゴルニス・サンデルシと命名されたという。

ペラゴニス・サンデルシの飛行方法

ペラゴルニス・サンデルシは岩壁から飛び降りて、海上の低高度をグライダーのように長距離・長時間にわたって滞空していたと考えられており、最大飛行速度は時速40~60キロメートルと推定されている。

このように長時間の飛行ができるのは、比較的小さな胴体と長い翼を持っているためであり、アホウドリのように海上で長時間を過ごし、海面から吹き上がる風流に乗って滞空を維持することができたと考えられているようだ。

なお、コンピュータ分析によるシミュレーションの結果、ペラゴルニス・サンデルシは上昇気流に効率よく乗る能力を備えており、いったん飛び立てば一週間以上も滞空することができたと結論付けられたという。

データ


種 別 巨大生物、絶滅した生物
発見地 アメリカ
年 代 漸新世(2500万年前)
翼 長 6.1~7.4メートル
備 考 史上最大の鳥類