イリアムナ湖の怪物【Lake Iliamna Monster】
珍奇ノート:イリアムナ湖の怪物 ― アラスカのイリアムナ湖に棲む謎の巨大魚 ―

イリアムナ湖の怪物とは、アラスカのイリアムナ湖で目撃されたUMAのこと。

体長4~9メートル前後の巨大魚であり、先細りの体と真っ直ぐに立った背ビレを持つという特徴があるとされる。


基本情報


概要


珍奇ノート:イリアムナ湖の怪物 ― アラスカのイリアムナ湖に棲む謎の巨大魚 ―
シロチョウザメ

イリアムナ湖の怪物は、米国のアラスカ州南西部にあるイリアムナ湖に棲息するといわれるUMAで、体長4~9メートル前後、先細りの体と真っ直ぐに立った背ビレを持ち、エラ呼吸であるという特徴があるとされている。肌の色については諸説あるが、鈍いアルミ色・ダークグレー・ダークブラウンなどの暗色であったといわれている。

この生物の最初の目撃例は1942年で、水上機に乗っていたパイロットと旅行者によって目撃された。この後、その旅行者によって情報提供が呼びかけられたため、様々な目撃情報が集まるようになったという。また、トリンギット(カナダの先住民族)の間ではゴナカデット(Gonakadet)と呼ばれる魚の神、アレウト族(アラスカの先住民族)の間ではジグクナク(Jig-ik-nak)と呼ばれる人を襲って食べる伝説の怪魚といわれているようだ。

この生物の情報収集や調査は1940~1980年代まで行われていたとされるが、近年には目撃談が減ったことから 存在そのものを疑問視する意見もあるらしい。その反面、ディスカバリーチャンネルやアニマルプラネットで特集されることもあるという。

なお、この生物の正体についてはシロチョウザメという説が有力視されており、その他にゼウグロドン(バシロサウルス)などの古生物の生き残りという説が唱えられている。

イリアムナ湖の怪物の特徴
・体長4~9メートル程度(目撃談によって様々)
・肌は鈍いアルミ色・ダークグレー・ダークブラウンなどの暗色(目撃談によって様々)
・先細りの体
・胴体と同じ幅の頭
・真っ直ぐに立った背ビレをもつ
・エラ呼吸である(呼吸をするために水面に上がることがないため)
・肉食性といわれている

データ


種 別 UMA、伝説の怪物
目撃地 アメリカ(アラスカ州のイリアムナ湖)
年 代 1942年~
体 長 4~9メートル
備 考 先住民の間では伝説の怪物として語られている

目撃情報


1942年の目撃例


1942年、ベイブ・アリスワースとビル・ハメルズレイという2人の旅行者がイリアムナ村に向かう水上機に乗っていたところ、パイロットが湖の中心にある島の近くに見慣れない点々とした影を見つけたとして、水上機を近づけていった。

水上機が近づくに連れ、その影の正体は鈍いアルミ色をした巨大魚であることが分かり、先細りの体で、体と同じ幅の頭を持ち、立っている背ビレをゆらゆらと動かしている姿が確認できた。なお、パイロットは この時に巨大魚がよく見えるように水上機を水面から最大3メートルほどの高度まで下げていたと語っている。

水中に数十匹見られた この巨大魚は、水上機のフロートよりも大きく、小さな潜水艦のようにも見えた。しかし、息を吸うために水上に出ることが無いことや、尾の動きなどから、クジラではないことはハッキリしているという。

1947年、メルズレイは防衛職を退任した後に この生物の調査を依頼したり、目撃情報を集めるために新聞記事を掲載した。すると、米国の沿岸測量調査をしているラリー・ロストという人物から「1945年に上空30メートルから6メートル以上ある巨大魚を目撃した」との報告があった。

彼の防衛職を退いた後、Hammersleyは、他の人に調査を依頼したり、報告書を提出しようとするために、謎の魚に短い記事を掲載した。 Larry Rost(米国沿岸測量調査パイロット)は、来てくれた人の一人でした。 100フィートの高さで、1945年の秋にイリアムナ湖を飛行しているロストは、20フィート以上の巨大な魚であると主張したものを見た。

また、1963年に生物学者が上空から7.6~9.1メートルほどの巨大魚を見たという報告があり、最初の目撃例と同様に「その生物は空気を吸うために水面に現れることは無かった」と語っているという。

1967年の目撃例


1967年、アラスカの宣教師が二度にわたって この巨大魚を目撃した報告した。

一度目は、水上機で飛行している際に水中に巨大な生物がいるところを目撃した。そこで、ラジオで他の人々に状況を伝えて目撃を促したが、現場で そのような生物を見たという人はいなかった。

二度目は、先の目撃を踏まえて この巨大生物を捕らえようと、ステンレス製の釣糸にマグロ用の釣針を付け、カリブー(トナカイ)の肉を餌にして、水上機のフロートにいくつか仕掛けて待つことにした。

すると、やがて水上機に衝撃が走り、そのまま引っ張られて海岸に乗り上げてしまった。彼が水上機を回収したときに仕掛けを確認してみると、3本の釣針が無くなっており、残った釣針は真っ直ぐに伸ばされていたという。

なお、彼はこの生物について「こんなことができるのは、ベルーガ(シロイルカ)に違いない」と語っているようだ。

1977年の目撃例


1977年、ペドロ・ベイを飛行しているベテランのパイロットが、3.7~4.5メートルの巨大魚が地に伏して垂直の尾を見せていたところを目撃した。彼の他にも2人の乗客が目撃しており、その巨大魚は水上機が近づくと垂直に飛び跳ねて水中に潜ってしまったという。

なお、目撃したパイロットと乗客は「その生物はダークグレー もしくは ダークブラウンの肌で、体長3.7~4.3メートルほどだった」と語っているという。

目撃史


・1942年:飛行機に乗っていた旅行者によって上空から目撃された(以来、目撃情報を集めはじめる)
・1963年:飛行機に乗っていた生物学者によって上空から目撃された
・1967年:水上機に乗っていた宣教師によって目撃された
・1977年:飛行機のパイロットおよび乗客によって、上空から目撃された
・1987年:地元住民によって黒い肌に白い縞模様の巨大魚がヒレを下ろしている姿が目撃された
・1988年:地元住民から いくつか目撃談が報告された

伝説


トリンギットの伝説


カナダの先住民族であるトリンギットは、この生物をゴナカデット(Gonakadet)と呼んでいる。

ゴナカデットは、オオカミのような頭と尾とシャチのような体を持つ生物であり、魚の神のような姿で描いているという。

アレウト族の伝説


アラスカの先住民族であるアレウト族は、この生物をジグクナク(Jig-ik-nak)と呼んでいる。

ジグクナクは魚のような怪物で、群れをなしてカヌーを襲い、一族の戦士を殺してきたと伝えられている。なお、ジグクナクはアレウト族の間で非常に恐れられており、狩りの対象になることはなかったという。