牛頭馬頭【ゴズメズ】
珍奇ノート:牛頭馬頭 ― 地獄にいる牛頭と馬頭の獄卒 ―

牛頭馬頭(ごずめず)とは、仏教における地獄の獄卒のこと。

牛頭と馬頭の二鬼のことであり、地獄で罪人を責め苛む役目を負うとされている。


基本情報


概要


牛頭馬頭は仏教における地獄の獄卒で、牛頭人身の牛頭と、馬頭人身の馬頭のことを指し、東嶽大帝・地蔵王菩薩・閻魔といった冥界の神々の配下に当たる最下級の鬼だといわれている。

この二鬼は対で語られることが多く、手に鉄叉を持ち、冥界にやって来た罪人の亡霊を捕まえて、地獄に送ったり、責め苛んだりする役目を負うとされている。

一説には、現世から冥界に向かう際に渡る奈何橋(なかきょう)を守る役割を担っており、生前に罪を犯した亡者が橋を渡ると牛頭馬頭が捕えて橋から落として、下にいる毒蛇や妖怪に食わせるともいわれている。

牛頭
珍奇ノート:牛頭馬頭 ― 地獄にいる牛頭と馬頭の獄卒 ―

牛頭は牛頭人身の鬼で、牛頭鬼や牛頭獄卒と表記されることもある。手には鉄叉を持っており、身体は屈強で、山を動かすほどの怪力を持つといわれることもある。

また、阿傍(あぼう)あるいは阿傍羅刹(あぼうらせつ)と呼ばれることもあり、『五苦章句経』では「牛頭人手 両脚牛蹄」という姿であるとされる。

馬頭
珍奇ノート:牛頭馬頭 ― 地獄にいる牛頭と馬頭の獄卒 ―

馬頭は馬頭人身の鬼で、馬頭鬼・馬頭羅刹と表記されることもある。また、中国で馬面と呼ばれることもあるという。馬頭の由来については諸説あり、仏教には元々牛頭しか居なかったが、中国に伝来したところで民間で左右対象性が重視されて、対になるものに馬頭を当てたという説などがあるとされている。

ちなみに仏教には馬頭観音(馬面明王)もいるが、こちらは菩薩の一尊で観音菩薩の化身といわれている。

データ


種 別
資 料 『十王経』『五苦章句経』ほか
年 代 不明
備 考 牛頭馬頭は対とされることが多い