ジャージーデビル ― ニュージャージーに伝わる伝説の怪物 ―

ジャージー・デビルとは、アメリカのニュージャージー州で目撃されているUMAのこと。
頭部はヤギに似ており、背中に翼を持つなど、悪魔のような外見的特徴があるといわれている。
基本情報
概要
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| 当時の新聞に載せられた挿絵 |
ジャージー・デビルは、アメリカのニュージャージー州のパインバレーズやデラウェア川流域で目撃される伝説的なUMAである。報告によれば、体長は約1~1.5メートルで、頭部は馬やヤギに似ており、背中にコウモリのような翼を持ち、蹄とヘビのような尾を備え、鋭い鳴き声をあげながら二本足で跳ねるように移動するという。なお、外見については目撃証言や報道記事によってまちまちであり、角が生えた形で描かれていることも多い。
このUMAはニュー・ジャージー州に伝わる民間伝承に端を発するとされている。1735年、リーズ家の母親が13人目の子供を出産する際に「この子が悪魔であればよい」と呟いたところ、生まれた子は悪魔のような異形の姿であり、森の中へ姿を消したと伝えられる。この伝承が後の「ジャージー・デビル」という呼称の原型となった。
1909年1月には、この伝承に関連する怪物の目撃騒動が州内で発生した。最初は雪上に残された正体不明の足跡が報告され、やがて怪物の姿を見たという目撃談が続出。ハドンハイツの路面電車やカムデンの社交クラブでの遭遇例が新聞で報じられ、警察が銃撃を試みても効果はなかったという。報道が州内全域に広がると学校閉鎖や労働者の自宅待機が相次ぎ、デラウェア・バレー一帯でパニックが発生した。この一連の出来事により、「ジャージー・デビル」という名称が広く定着した。
その後も1930年代、1950年代、1960年代を経て、2009年に至るまで局地的な目撃や奇怪な鳴き声の報告が断続的に存在する。ジャージー・デビルは地域の民間伝承として定着し、UMAや怪奇現象の象徴としても扱われているが、実在を示す証拠はなく その正体はいまだに明らかになっていない。
・体格:中型犬〜大型犬ほど
・頭部:馬やヤギに似ている
・目:赤く光る大きな目を持つとも
・背中:コウモリのような羽が生えている
・手足:蹄あるいは鋭い爪を持つ
・尾:ヘビに似たような尾を持つ
・歩行:後ろ足で二足歩行(四足歩行とも)
データ
| 種 別 | UMA、伝説の生物 |
|---|---|
| 目撃地 | アメリカ(主にニュージャージー州) |
| 年 代 | 18世紀~ |
| 体 長 | 1~1.5メートル |
| 備 考 | 起源となる民間伝承がある |
起源となる民間伝承
1735年の嵐の夜、ニュー・ジャージー州パインバーンズのリーズ家では、13人目の子供が生まれようとしていた。
母親は長く苦しい陣痛の中で、思わず「この子が悪魔であればよい」と呟いたという。やがて子供は生まれたが、その姿は人々が見たこともない異形だった。頭は犬の形をしており、背中には小さな翼が生え、尾と蹄を持つ奇怪な姿だった。
赤ん坊は生まれた直後から泣き叫び、家中をかき回したかと思うと、煙突や扉から飛び出し、激しい雷と風の吹き荒れる夜の森へと姿を消した。リーズ家の人々はその場に立ち尽くし、ただ驚きと恐怖に震えるしかなかった。
その後、この子供は「ジャージー・デビル」あるいは「リーズ・デビル」と呼ばれ、パインバーンズ一帯に恐怖をもたらす怪物として語り継がれることになった。
1909年の目撃情報
1909年1月16日、ニュージャージー州で最初にジャージー・デビルに関する異常な出来事が報道され始めた。初期の報告は、雪の上に正体不明の足跡が残されていたというものだった。この足跡が州内各地で発見されるにつれて、次第に「怪物らしき姿を見た」という目撃談が続出するようになった。
1月中旬には「ハドンハイツで路面電車を襲った」あるいは「カムデンの社交クラブに現れた」という遭遇例が新聞で取り上げられ、警察が銃撃を試みたが効果はなかったという報告もあった。報道は瞬く間に州内全域に広がり、さらにデラウェア州や西メリーランドにまで知られることになった。この広範囲な報道により、学校が閉鎖されたり、労働者が家に留まるなど、デラウェア・バレー全体にパニックが広がった。
フィラデルフィア動物園では、ジャージー・デビルの糞に対して1万ドルの懸賞金を掲示したと噂され、これをきっかけに様々な作り物やいたずらも報告されることになった。中には、翼を付けたカンガルーをジャージー・デビルと偽るケースもあったという。こうして1909年の一連の目撃騒動は、ジャージー・デビル伝承における最も広範かつ社会的影響を伴った出来事として知られている。
目撃史
・1778年:海軍代将が鉄工所で怪物に遭遇、発砲したが翼膜を撃ち抜いた後に消えた
・1820年代:元スペイン国王ジョゼフ・ボナパルトがニュージャージーの地所で目撃
・1909年:1週間にわたりニュージャージー州で多数の目撃報告・足跡・奇怪な鳴き声が記録される
・1930年代:赤い目を持つ未知の生物が目撃される
・1951年:ニュージャージーの少年たちが森で怪物を目撃したと証言
・1960年代:足跡や奇妙な鳴き声の目撃報告
・1980年:ニュージャージー州南部で家畜を襲撃。馬の蹄に似た足跡を残す。
・1993年:自然公園管理者が森で二本足の怪物を目撃(鹿の可能性あり)
・2000年代:局地的な目撃情報や怪奇体験の報告が断続的にある
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