シャドウ・ピープル【Shadow People】
珍奇ノート:シャドウピープル ― 世界中で目撃されている黒い影 ―

シャドウピープルとは、様々な時と場所で目撃される黒い影のこと。

人型の影としての目撃例が多いが、動物や煙のような形で目撃されることもある。


基本情報


概要


シャドウピープルは、世界各地の様々な場所で目撃されている黒い影のような存在である。明確な輪郭を持たず、顔や身体の特徴を判別できないことが多く、実体というよりも「影そのものが人の形を取っている」と表現される点が特徴とされている。

この現象は世界各地で報告されており、19世紀はアメリカやイギリスで目撃談が特に多く、インターネットが存在しない時代であるにもかかわらず、同一の存在として情報共有されてきたといわれている。インターネットの普及以降は個人の体験談を共有する場が増えたことで、シャドウピープルに関する報告数は急増し、共通した描写やパターンが広く知られるようになった。なお、古くは「シャドウ・エンティティ(Shadow Entities)」や「シャドウ・フィギュア(Shadow Figures)」などと呼ばれて呼称は定まっていなかったが、1953年のラジオドラマで「The Shadow People」というエピソードが扱われたことや、2000年代にアメリカの人気ラジオ番組で「シャドウ・ピープル」として特集が組まれたことで、この呼称が定着したとされている。

シャドウピープルについて、多くの目撃談では「室内で突然視界に現れ、壁際や部屋の隅に立っている」あるいは「視界の端を素早く横切る」といった報告例が多く、ほとんどの場合は短時間しか視認できないといわれており、物理的な接触があったという報告は極稀である。

また、シャドウピープルにはいくつかのタイプが存在するといわれている。中でも最も有名で報告例が多いとされるのが、帽子をかぶった人影として現れる「ハット型(ハットマン)」であり、中折れ帽やシルクハットのような帽子をかぶり、全身が黒い影として認識される点が特徴とされている。他の人型としては、ただの人型の影である「のっぺらぼう型」、フードのある僧衣のような装束をまとった「フード型」、などが挙げられる。また、人型ではないものとして、黒い煙や霧のように見える「霧型(煙型)」、獣の輪郭を持つ「動物型」、床や壁を這うように動く「塊状型」などが存在する。その他にも、影の目だけが赤く光る「赤目型」、物理的に干渉が可能な「物理干渉型」、厚みが全く無い「平面型(フラットマン)」といった特異なタイプも存在するといわれている。

こうした遭遇体験は金縛りや睡眠中の半覚醒状態と同時に起こる例が多く、心理学や神経科学の分野では「睡眠障害や知覚の錯誤」として説明されることが一般的である。一方で、完全に覚醒した状態での目撃や、複数人が同時に同じ影を見たとする証言も存在し、単なる個人的幻覚では説明しきれない現象としてオカルト分野で注目されてきた。

このように明確な物的証拠を伴うことが少なく、存在の証拠も残しにくいため、目撃者による体験ベースの現象として認識されている。そのため、未確認生物というよりも「反復的に報告される体験型の怪現象」として扱われており、現在のオカルトのジャンルとしては、超常現象、心理現象、都市伝説などに分類されている存在である。

データ


種 別 幽霊、超常現象
目撃地 世界各地
年 代 19世紀~
体 長 不明
備 考 幽霊や宇宙人と関係するとも

シャドウピープルの分類


人型


ハット型(The Hat Man)


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ハットマンと呼ばれる最も有名なタイプで、シルクハットや中折れ帽(フェドラ帽)を被り、長いトレンチコートやマントを着た長身の影のこと。ただ立って観察していることが多く、圧倒的な威圧感がある。

フード型(Hooded Figure / The Hooded Monk)


珍奇ノート:シャドウピープル ― 世界中で目撃されている黒い影 ―

修道士、僧侶、死神のような深いフード付きのローブを纏った影のこと。ハットマンよりも「悪意」や「怒り」を感じさせると報告されることが多い。

のっぺらぼう型(Featureless Shadow)


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ただの人の形をした真っ黒な影のこと。最も目撃数が多いタイプで、顔の凹凸や服の境界がなく、空間に切り取られた「穴」のように見えるといわれる。

観察型(The Peeper / Peeking Shadows)


珍奇ノート:シャドウピープル ― 世界中で目撃されている黒い影 ―

ドアの隙間や角から顔のような部分だけを出し、対象を覗き見ている影のこと。視線を向けると瞬時に引っ込み、臆病な振る舞いをするといわれることが多い。

生物型


動物型(Animal Shadow / Shadow Animals)


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犬や巨大な猫など、四足歩行の獣の輪郭を持つ影のこと。エイリアン・ビッグ・キャットやシャドウ・パンサーなどもこれに含まれて語られることがある。

這行型(The Crawler)


珍奇ノート:シャドウピープル ― 世界中で目撃されている黒い影 ―

クモやトカゲのように壁、天井、床を這って高速移動する影のこと。その四肢は胴体に対して異様なほど細長く、関節が人間とは逆方向に折れ曲がっていたり、あるいは関節の数自体が人間より多く見えたりするのが特徴で「多脚の巨大な昆虫」のようなシルエットとして認識されることが多い。

非生物型


霧型 / 煙型(Wispy / Misty Shadow / Black Smoke)


珍奇ノート:シャドウピープル ― 世界中で目撃されている黒い影 ―

人型が崩れており、煙や黒い霧のように漂っているタイプ。輪郭がはっきりせず、通り過ぎると冷気を感じることが多いといわれている。

不定形型(The Blob)


珍奇ノート:シャドウピープル ― 世界中で目撃されている黒い影 ―

影の塊のように見える影のこと。不定形であり、床や壁をアメーバのように這うといわれている。

視界出現型(Peripheral Shadow)


珍奇ノート:シャドウピープル ― 世界中で目撃されている黒い影 ―

視界の端を一瞬だけ横切る影のこと。振り返ると消えているため「気のせい」とされやすいが、頻発するのが特徴である。

特殊型


赤目型(Red-Eyed Shadow)


珍奇ノート:シャドウピープル ― 世界中で目撃されている黒い影 ―

全身は真っ黒だが、目の部分だけが赤く光っているタイプ。強い悪意や恐怖を伴う報告が多く、警告や不吉な前兆とされることもある。

物理干渉型(Physical Interaction Type)


珍奇ノート:シャドウピープル ― 世界中で目撃されている黒い影 ―

視覚的な存在に留まらず、物に触れる、ドアを開閉する、あるいは目撃者の身体に触れるといった物理的な接触や干渉を伴う極めて稀なタイプ。

平面型(Flat Man)


珍奇ノート:シャドウピープル ― 世界中で目撃されている黒い影 ―

壁や天井などに張り付くように現れ、極めて平面的で厚みを全く感じられないタイプ。「フラットマン」の名でも知られている。

関連事項


イギリス


バネ足ジャックの怪異


1837年頃のロンドンにはバネ足ジャック(Spring-heeled Jack)という怪人が出没したとされる。一般的には「跳躍する怪人」として知られているが、当時の目撃証言には「影のように真っ黒な姿」「不気味に光る目」「一瞬で壁を飛び越えて消える」といった、現代のシャドウピープルと共通する特徴が数多く含まれている。

心霊研究協会の書簡記録


1882年に設立された心霊研究協会(SPR)には、当時の人々から多くの体験談が寄せられた。その中には「寝室の隅に立つ顔のない黒い人影」についての詳細な報告があり、幽霊というよりも「人型の穴が開いているように真っ黒な物体」と表現されていた。これは、現代における「のっぺらぼう型」の目撃例と一致する。

アメリカ


ネイティブアメリカンの伝承


ネイティブアメリカンのチョクトー族やチェロキー族などの伝承には、「影の存在」や「死を司る影の住人」についての話が古くから存在しており、彼らはこれを「別次元から来た者」や「鏡の世界の住人」と呼んでいた。

ハットマンの目撃報告


1950年代から『Fate Magazine』というオカルト雑誌には「帽子を被った真っ黒な男が寝室に立っていた」との読者投稿がアメリカ各地から寄せられており、その体験談には「黒いトレンチコートとシルクハットを被った影」という共通点が見られたとされている。インターネットが普及される以前に互いに接点のない人々が一貫して同様の主張をしていることから、現代のシャドウピープル研究において最も不可解な事例とされている。

ラジオドラマ『The Hall of Fantasy』


アメリカの怪奇ラジオドラマ『The Hall of Fantasy』という人気シリーズで、1953年9月21日に放送された「The Shadow People」というエピソードが、現代のシャドウ・ピープル像に大きく影響を与えたといわれている。ストーリーの設定では「暗闇の中に潜み、人類の歴史の影で常に我々を監視してきた邪悪な存在」としてシャドウ・ピープルが描かれており、「光に弱い」という特性があるとされていた。

南北戦争の戦場


1861年から1865年まで行われた南北戦争当時の兵士の日記には、戦場やキャンプ地で「影の塊のようなものがテントの間を通り抜けた」という記録が残されている。これらは亡くなった兵士の霊とは区別され、実体のない不気味な現象として恐れられていたとされる。

スナイッピー事件


1967年、コロラド州サン・ルイス・バレーで農夫の愛馬のスナイッピーが怪死する事件が起こった。この事件は家畜怪死事件(キャトル・ミューティレーション)としても有名で、飼主は事件直前の夜に「空を飛ぶ巨大な光の物体」を目撃していたと語ったとされる。また、現地の農夫たちは「調査中、平原に不自然に立つ真っ黒な人影を何度も見た」と証言しており、近づこうとすると人間では不可能な速度で移動して忽然と消えたという。

オールド・ハグの調査


1982年、デイヴィッド・ハフォード博士が金縛り現象を調査した際に、多くの被験者が「帽子を被った影」や「フードの影」を見たと証言したという。ネットがない時代にもかかわらず、ニューヨークの学生とニューファンドランドの漁師が全く同じビジュアルの影を報告していたことが、後の「集団目撃」という概念の土台になったとされている。

ラジオ番組『Coast to Coast AM』


2001年4月12日、アメリカのラジオ番組『Coast to Coast AM』で「シャドウ・ピープル」の特集が行われた。番組では「影のような存在を見たことがあるか?」という問いかけに対して、全米から凄まじい数の電話が寄せられ、詳細なスケッチもFAXで送られてきたという。これによって「シャドウ・ピープル」という存在が世間に広く知られることになったとされている。

フランス


モーパッサンの短編『オルラ(Le Horla)』


1887年に作家ギ・ド・モーパッサンが発表した短編『オルラ(Le Horla)』は自身の体験に基づくとされる作品で、この中には「鏡に映らず、自分の姿を遮るように存在する目に見えない影のような同居人」が描かれている。当時のフランスでは、これが精神疾患(幻覚)なのか、あるいは未知の生命体なのかという議論が巻き起こった。

インターネット


2ちゃんねる


2000年代から、2ちゃんねるのオカルト板では「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?」というスレッドを中心に、シャドウピープルと思われる目撃談がいくつも投稿されている。以下は、その一例である。

・黒い男:2003年投稿。幼少期から目撃される「真っ黒な男」を見るたびに家族に不幸が起こるという話
・黒い帽子の男:2007年3月投稿。霧状の黒い帽子の被った男に監視されるという話
・黒い人:2011年10月投稿。夜の住宅街で全身真っ黒の人間との遭遇したという話
・真っ黒な人影:2012年4月投稿。自宅で小男の黒い影を何度も目撃したという話
・ある時から黒いのが自分の近くにいる:2013年12月投稿。幼少期から黒いのがそばにいるという話
・古いアパートに潜む影:投稿日不明。古いアパートに引越したら影のような存在による怪異に悩まされた話
・黒い男の人が迎えに来る:投稿日不明。瀕死の患者を入れる病室で「黒い男」が目撃されるという話
・真っ黒:投稿日不明。深夜の新聞配達中、団地で真っ黒な人影が背後に現れ、音もなく消えたという話
・横切る影:投稿日不明。父が仕事で借りていた事務所で横切る影など怪現象が多発したという話

ハットマン・プロジェクト(The Hat Man Project)


2008年初頭、アメリカでハットマン・プロジェクトというハットマン専用の目撃談収集サイトが立ち上がり、今までに数千件の目撃投稿がされている。

URL:https://thehatmanproject.com/

Reddit


海外の巨大掲示板Redditにはサイト設立当初から超常現象の話題があったが、2013年にハットマン専用のコミュニティが確立された。

URL:https://www.reddit.com/r/HatMan/