ヘロドトスの翼蛇 ― アラビアの翼ある蛇 ―

ヘロドトスの翼蛇とは、アラビアに伝わる翼を持つ蛇型UMAのこと。
ヘロドトスの著書に登場する生物であるため、便宜的にこの名称を用いることにする。
基本情報
概要
ヘロドトスの翼蛇は、アラビアに伝わる翼を持つ蛇型のUMAである。紀元前5世紀のギリシャの歴史家ヘロドトスの記録に登場する生物で、斑点模様の水蛇のような姿をしており、コウモリに似た翼を持って空を飛ぶといわれている。日本では「翼ある蛇」、英語圏では「Arabian Flying Snakes(アラビアの空飛ぶ蛇)」と呼ばれていることが多い。
ヘロドトスの著書『歴史』によれば、翼蛇の情報を集めるためにアラビアのブトの町付近を訪れた際、膨大な数の蛇の骨を目撃したという。その蛇は水蛇のような体型で、翼は羽毛ではなくコウモリに似ていたとされる。現地の話によれば、これらの翼蛇は春になると空を飛んでエジプトに向かうが、イビスという鳥が迎え撃って侵入を阻むため、イビスはエジプト人から尊敬されているという。また、翼蛇は乳香の木に群れを作って集まるため、アラビア人が乳香を採集する際にはスチュラクス(安息香)の煙で追い払うとも記されている。繁殖に関しては、雌が交尾の際に雄を殺し、子供が母の腹を破って外に出るとされ、個体数は自然と制御されると考えられていた。
なお、翼蛇についてはアリストテレスも言及しており、『動物誌』には「中には翼を持つ蛇もいる。例えば、エチオピアではそのような蛇がいると言われている」と記載されている。
正体については、トビヘビの一種だったという説がある。この種類の蛇はアラビアには生息していないとされるが、アラビア海周辺には「Arabhar(アラバァ、またはアラバール)」と呼ばれる未確認生物が存在するとする情報もある。また、ヘロドトスが蛇の骨の残骸と記したものは、大量のバッタの残骸、あるいはスピノサウルスなど背びれを持つ恐竜の化石だったのではないかという説も唱えられている。
データ
| 種 別 | UMA、伝説の生物 |
|---|---|
| 資 料 | 『歴史』 |
| 年 代 | 紀元前5世紀 |
| 備 考 | Arabharと呼ばれる未確認生物と関連付けられることがある |
ヘロドトス『歴史』抜粋
アラビアにはブトの町にほど近い地域があり、彼はそこへ翼を持つ蛇について尋ねるために赴いた。到着すると、筆舌に尽くしがたいほど大量の蛇の骨や背骨の山が散らばっているのを目にした。その姿は水蛇に似ていたが、翼は羽毛でできておらず、むしろコウモリの翼に近い形をしていたという。
伝えられるところによれば、春になるとこれらの翼蛇はアラビアからエジプトへ向かって飛ぶ。しかし、エジプトへの入り口でイビスという鳥が迎え撃ち、蛇の侵入を許さず退治する。アラビア人は、イビスがエジプト人から尊敬されているのはこの功績によるものだと伝えている。
さらに、乳香の木には小柄で斑点模様の翼蛇が群れをなして番をしている。アラビア人は、乳香を採取する際には安息香(スチュラクス)の煙でこれらの蛇を追い払わなければならないとされている。煙以外の方法では、翼蛇を木から追い払うことはできない。
また、ヘロドトスはこれらの蛇の繁殖についても記録している。もし翼蛇が通常通りに繁殖していたなら、人間は生き延びることができなかっただろう。しかし、雌は交尾の際に雄の首に噛みつき殺し、さらに生まれた子は母の腹を破って外に出るため、個体数は自然と一定に保たれている。このように、鋭い牙を持つ危険な生物は、神の摂理によって多産にならないよう定められていると考えられていた。
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