水虎様 / 水虎大明神【スイコサマ / スイコダイミョウジン】
珍奇ノート:水虎様 ― 青森県に伝わる河童の神様 ―

水虎様とは、青森県の津軽地方北西部を中心に伝わる水神のこと。

河童の上位存在とされ、水難除けの神として信仰されている。


基本情報


概要


水虎様は、青森県の津軽地方北西部を中心に伝わる水神である。水虎様と表記して、スイコサマ、オシッコサマ、セッコーサマなどと読まれる。水虎大明神と呼ばれることもある。龍宮の眷属とされ、水難除けの神として信仰されている。

水虎様信仰は、慶応2年(1866年)に始まったといわれている。西津軽郡木造町の実相寺住職・日順が、頻発する水難事故に苦慮していた折、祈祷で原因を調べたところ、河童の仕業であると示された。そこで、日順は"河童の親方"に「水虎大明神」の神格を与えて祀り、水難除けを祈願したという。後にこの信仰が周辺地域へ広まり、既存の水神信仰や河童伝承、民間宗教者による祭祀などと結び付きながら、現在の水虎様信仰へと発展したと考えられている。

この水虎様(水虎大明神)は、小さな祠の中に神像を安置するといった形で祀られている。主に河童が合掌した形の神像が祀られているが、弁財天像が祀られていることもある。現在では、つがる市や五所川原市の社寺を中心に80箇所以上の場所で祀られているという。

なお、水虎とは中国起源の水怪であり、日本では河童の漢語名として用いられてきた名称である。しかし、津軽地方の水虎様信仰は中国の水虎信仰が直接伝わったものではなく、地域独自に成立した信仰と考えられている。その一方で、青森県にはメドチ(メドツ)と呼ばれる河童が伝えられており、水虎様はメドチの上位に立つ河童で、48匹のメドチを管理しているともいわれている。

データ


種 別 神仏
資 料 『青森県立郷土館研究紀要』第44号ほか
年 代 慶応2年(1866年)
備 考 幕末に始まった比較的新しい水神信仰