ファティマ第三の予言/ファティマ第三の秘密【Third Secret of Fatima】
珍奇ノート:ファティマ第三の予言 ― ファティマの聖母が残した秘密の予言 ―

ファティマ第三の予言とは、1917年にポルトガルのファティマに現れた聖母が残した予言の一つである。

第一、第二の予言は戦争に関する予言で的中しているが、第三の予言に関しては未だにはっきりと公開されていない。

そのため、様々な憶測や仮説が唱えられており、今でも議論の的になっている。


基本情報


概要


珍奇ノート:ファティマ第三の予言 ― ファティマの聖母が残した秘密の予言 ―
聖母と対面した子供たち

1917年にポルトガルの小さな町であるファティマにて、羊飼いの子供たちの前に聖母が現れ、様々な予言を与えたり、超常現象を見せるという事件が起こった。この事件は噂が広まって多くの人々を巻き込み、やがてローマ教皇庁にも奇跡として公式に認められることになった。この事件は"ファティマの聖母"などと呼ばれている。

ファティマ第三の予言(第三の秘密)は、この"ファティマの聖母"において1917年7月13日に聖母がルシアという少女に与えた3番目の予言のことで「1960年になったら公開すること、それまでは秘密にするように」と厳命されたという。

ルシアは「第三の秘密」を教皇庁に伝えたが、60年代に閲覧した教皇ヨハネ23世は内容に絶句して再度封印し、次代のパウロ6世も恐ろしい内容にその場で卒倒して数日間人事不省になったという。このため教皇庁は1960年には公開せず、40年経った2000年5月に公開した。以下がその内容である。


すでに述べたあの二つの啓示のあと、わたしたちは、マリアの左側の少し高い所に、火の剣を左手に持った一人の天使を見ました。しかしその炎は、マリアが天使に向かって差し伸べておられた右手から発する輝かしい光に触れると消えるのでした。

天使は、右手で地を指しながら大声で叫びました。「悔い改め、悔い改め、悔い改め」。それからわたしたちには、計り知れない光―それは神です―の中に、「何か鏡の前を人が通り過ぎるときにその鏡に映って見えるような感じで」白い衣をまとった一人の司教が見えました。「それは教皇だという感じでした」。

そのほかに幾人もの司教と司祭、修道士と修道女が、険しい山を登っていました。その頂上には、樹皮のついたコルクの木のような粗末な丸太の大十字架が立っていました。教皇は、そこに到着なさる前に、半ば廃墟と化した大きな町を、苦痛と悲しみにあえぎながら震える足取りでお通りになり、通りすがりに出会う死者の魂の為に祈っておられました。

それから教皇は山の頂上に到着し、大十字架のもとにひざまづいてひれ伏されたとき、一団の兵士達によって殺されました。彼らは教皇に向かって何発もの銃弾を発射し、矢を放ちました。同様に、他の司教、司祭、修道士、修道女、そして様々な階級と職種の平信徒の人々も次々にそこで死んでいきました。

十字架の二つの腕の下にいた二位の天使は、おのおの手にした水晶の水入れに殉教者たちの血を集め、神に向かって歩んでくる霊魂にそれを注ぐのでした。

トゥイにて 一九四四年一月三日


教皇庁はこれを「教皇暗殺の危機」だと解釈しているが、ルシアはこの発表に対して「バチカンは嘘をついているし、それは一部にしか過ぎない」と発言して司法省へ提訴したという。また、第一、第二の予言と比較して矮小が過ぎる点や、教皇が卒倒したり、40年も封印するほどの内容では無いことから 一般的にも懐疑的な意見が多い。

そのため、"教皇庁の発表は虚偽"または"一部分に過ぎない"という主張も多く、今でも様々な憶測や仮説が唱えられている。また、中には「2035年に公開される」というものや「第四の秘密もある」という主張も存在している。

第三の秘密に関する諸説


第三次世界大戦の勃発と人類の滅亡


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1960年代にはドイツのメディア『ノイエス・オイローペ』が、第三の秘密の原文を入手したと報じた。その内容は「20世紀後半に世界的な大戦争が起き、天から下される火と煙があらゆる海の水を蒸発させ、数千万人規模の犠牲者が出る」というものだったという。

巨大隕石の落下による人類の滅亡


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あるインターネット掲示板にファティマ第三の予言の原文を見たという人物が書き込みを行った。その内容は「太平洋に直径200kmの巨大隕石が落下し、一瞬で人類が滅亡する。隕石の威力は凄まじく、地球も破壊される」というものだったらしい。

宇宙人の存在を明らかにするもの


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聖母のスケッチ
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銀色の太陽
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エンゼル・ヘア

そもそも「ファティマの奇跡」の一連の流れにおいて様々な超常現象が目撃されている。例えば、聖母に関して"出現と同時に発光する球体が降りてきた"というものや"消失時に轟音が響いた"あるいは"光る雪片のようなものが落ちてきた"などがある。なお、この"雪片のようなもの"に関しては後に「エンゼル・ヘア」と呼ばれて、フランスやイタリアなどでも目撃されており、UFOの出現とともに発生するといわれている。

しかし、この当時にはUFOという概念が無く、これを公表しても人々が理解できなかったため、聖母は1960年まで秘密にさせたのではないかという見解もある。なお、UFOという存在が世間に認知されたのは1950年代と言われている。ちなみに人類史上初の月探査機は1959年にソ連が打ち上げたルナ1号で、アメリカのアポロ8号による有人宇宙飛行は1968年のことである。

こうした見解から、第三の予言が宇宙人の存在を示唆したものであり、これに関する仮説として「聖母マリアが宇宙人であった」というものや「地球は宇宙人によって造られた星で、環境を破壊する人類から地球を奪い返しに来る」というものが挙げられている。

また、2013年秋に放送された「やりすぎ都市伝説」ではファティマ第三の予言について特集されており、その内容を「宇宙人の存在を明らかにするもの」と仮定して説明している。この放送内容によれば、もし宇宙人の存在が明らかになれば「神の存在が変わってしまう秘密」であるため、このような理由でバチカンが秘匿したことが示唆されている。

なお、近年ではローマ教皇による宇宙人発言が多く、2008年にベネディクト16世は「神はアダムとイブとともに地球外生命体をも創造された」と発言し、2014年にフランシスコがラジオで「すべての人は洗礼を受ける権利があり、これは宇宙人も同じ」「肌が緑色で、鼻が長く、耳の大きな火星人が洗礼を望むなら受け入れる」と発言している。これらについては教皇の冗談とされているが、一方で「バチカンが地球外生命体の存在を認めた」とする声もある。

また、2015年にはNASAの火星探索機「キュリオシティ」が撮影した火星の写真に女性のようなものが写っていることが話題を呼んだが、真偽については未だ特定されていない。先の「やりすぎ都市伝説」では同時にガウディーコードに関する特集も行われているが、その中にはグエル公園のある部分に逆方向に「MARIA」と文字が刻まれている様子も紹介されている。

ファティマ第三の予言が公開されていない以上 事の真相は不明であるが、この秘密を「宇宙人の存在を明らかにするもの」と仮定する説においては、今でも信憑性を高める情報が続々と発表されていることは事実である。

関連項目