アメノサグメ【天佐具売 / 天探女】
珍奇ノート:アメノサグメ ― 天邪鬼の由来となった女神 ―

アメノサグメとは、日本神話に登場する女神のこと。

天磐舟に乗って降臨したとされており、天邪鬼の由来になったともいわれている。


基本情報


概要


アメノサグメは日本神話に登場する女神であり、「国譲り神話」には以下のように説話がある。

高天原の天津神は地上にアメノホヒを降ろして平定しようとしたが、この神はオオクニヌシに媚びへつらうばかりで上手くいかなかった。そこで、アメノワカヒコを降ろしたが、この神はオオクニヌシの娘のシタテルヒメを娶り、後々 出雲を我が物にしようと企むようになって8年経っても高天原に報告しなかった。

そこで天津神は雉を遣わせてアメノワカヒコに「どうして命令を果たさないのか」と問わせることにした。地上に降りた雉はアメノワカヒコの宮の門前の木に止まり、天津神から預かった伝言を告げると、これを聞いていたアメノサグメが「この鳥の鳴き声はとても不吉です。弓で射殺してしまいましょう」と進言した。これによってアメノワカヒコが雉に矢を放つと、その矢は雉の胸を射抜き、さらに飛び続けて高天原まで飛んでいった。

この矢を見た天津神はアメノワカヒコの忠誠を確かめるために「もし、この矢を放ったのが悪神であれば、アメノワカヒコに当たることはないだろう。だが、天若日子が邪心で放ったのならば、アメノワカヒコはこの矢に当たって死ぬであろう」と誓約して矢を投げ返した。すると、その矢は寝ていたアメノワカヒコの胸に当たり、アメノワカヒコを殺してしまった。

このアメノサグメは「天探女」という表記から、天の動き や 人の心を探る といった魔女的な者だと解釈されることがあり、これが転じて同様の特徴を持つ天邪鬼に変化していったという説がある。

また、『摂津国風土記 逸文』には以下のような説話がある。

難波高津は、アメノワカヒコが降臨した時に、これに従ってアメノサグメの降臨した場所で、その時は天磐舟(アメノイワフネ)に乗って此処に到ったという。天磐舟が停泊した場所なので高津と呼ばれるようになった。

この天磐舟が何なのかは定かではないが、日本神話の神武東征で神武天皇と争ったニギハヤヒという神も天磐舟で河内国の哮峯に天降ったとされている。なお、大阪府交野市にある磐船神社では、天磐船と呼ばれる舟形の巨石を御神体として祀っている。

データ


種 別 神仏
資 料 『古事記』『日本書紀』『摂津国風土記』ほか
年 代 神代
備 考