牛鬼【ウシオニ / ギュウキ】
珍奇ノート:白木山の牛鬼 ― 徳島県の白木山に伝わる牛鬼 ―

白木山の牛鬼とは、徳島県海部郡にある白木山に棲んでいたと伝わる牛鬼のこと。

頭が鬼で身体が牛の巨獣であったとされ、人や家畜を襲ったので平四郎という猟師が退治したとされている。


基本情報


概要


白木山の牛鬼は、徳島県海部郡牟岐町にある白木山に棲んでいたという巨獣で、頭が鬼で身体が牛のようであったことから牛鬼と呼ばれていたという。この牛鬼は人や家畜を襲って食っていたので、平四郎という地元の猟師が退治したと伝えられているが、その説話には諸説ある。

弓矢の名手とされる平四郎の説話
昔、牟岐町の白木山に牛鬼が棲んでおり、人や家畜を襲って害を為していた。そこで弓矢の名手であった猟師の平四郎が白木山に向かい、そこで牛鬼に弓矢を放って仕留めようとした。弓矢を受けた牛鬼は血を流しながら逃げ出したが、やがて淵に落ちて死んだ。すると、この淵は7日7夜の間 牛鬼の血で赤く濁ったという。

それ以来、この淵は牛鬼淵と呼ばれるようになった。また、平四郎の子孫の川添家は家の裏に塚を築いて牛鬼を祀り、この塚は牛鬼塚と呼ばれるようになったという。なお、この牛鬼塚には正月にヒチタバナカと呼ばれる7束半の藁を供えるという風習があったといわれている。

鉄砲の名手とされる平四郎の説話
昔、牟岐町の白木山に牛鬼が棲んでおり、人や家畜を襲って害を為していた。そこで鉄砲の名手であった猟師の平四郎は、吉田家三社の銘が刻まれた鉄砲を持って白木山に向かい、助平という場所で呼子の笛を吹いて牛鬼をおびき出すと、許しの玉を込めた鉄砲で牛鬼を撃った。

すると、牛鬼は血を流しながら逃げ出して谷川に落ち、滝の渕で息絶えた。すると、その血は7日間にわたって流れ続け、やがて平四郎の家にまで流れ着いたが、平四郎の武威によって逆流していったという。

データ


種 別 伝説の生物、UMA、鬼
資 料 牟岐町の伝説
年 代 不明
備 考